繋がりたがりの現代人へ
貴音真
真の奇跡の話
今、社会はこんな状況だ。
どんな状況かは俺と同じ時間を生きている人ならわかるだろう?
大変かも知れない。
苦痛かも知れない。
あるいは、何とも思っていないかも知れない。
例え意見が違っても、それはみんなが同じ時間にいるから生まれた相違だ。
違うことは悪くないことだ。
違っていい。
そして、違っていいことと同じように、同じでもいいんだ。
さらには、どちらでもなくてもいいんだ。
人は機械が生み出したモノではない。
違うことも同じこともどちらでもないこともある。
ただ、どんなに相違があっても絶対に同じものがある。
それほ現時点で生きている以上は地球の歴史上で我々が同じ時間を共にしているということだ。
この、同じ時間を生きているだけで俺には世界中の人類と深く繋がっていると感じている。
なぜなら俺は真の奇跡を知っているからだ。
地球が誕生して約46億年と言われる中で、人類なんてせいぜい500万年~1000万年の間で誕生した地球にとっては新種だ。
そして、現代のような社会生活が確立されてからはさらに短い。
しかし、人ひとりの人生というのは、それよりはるかに短いたった100年程度。
そう、長生きをしてもたった100年程度しかない。
地球規模で考えたら、我々が人生で幾度となく重ねるまばたきを1回する程度の短さなのかも知れない。
そんな刹那の瞬間にこうして同じ時間に誕生していること、これは真の奇跡だ。
これは何より大きな絆だ。
この奇跡はメディアなどがいう安物の奇跡とは違う。
この繋がりは社会生活において生まれる絆とは違う。
最初にして最大の奇跡の絆だ。
気づいてほしい。
嫌いなヤツも好きなヤツも知人も他人も皆、この刹那の瞬間に同時に存在することは奇跡だ。
地球はその46億年という時間で様々な生き物と時間を共有しただろう。
あと50億年以上あるという地球の寿命は、まだまだこれからも時間を共有するだろう。
しかし、人ひとりはたった100年程度の刹那の瞬間しかそこにいない。
このたった100年の中で、会っていなくても、名前を知らなくても、住んでいる場所が違っても、言語が違っても、この地球のどこかで同じ時間を共有している人が少なくとも77億人いる。
その事実はなによりも心強いことだ。
考えてほしい。
地球で生き物が自分ひとりしか居ないという孤独を。
その孤独はあなたを押し潰してしまうかもしれない。
しかし、幸いなことに我々はひとりじゃない。
例え、今あなたがひとりぼっちでも地球上に同じ時間を共有する人は77億人いる。
十分だ。
泣くほど心強い。
誰かがどこかで生きていてくれる。
それだけで十分繋がりだ。
特に、あなたに
これだけで十分過ぎるほどに繋がっている。
昔は便りがないのは元気な証拠などと言ったものだが、これもどこかで生きていてくれていると信じているからだ。
繋がっていると感じていたからだ。
しかし、今はそうではない人が多すぎる。
SNSで人と人が便利に繋がることが出来るのは悪いことではない。
しかし、連絡を取ることは真の繋がりではない。
顔を合わせることは真の繋がりではない。
今この瞬間、どこかで誰かが同じ時間を共有していることこそが、全人類にとっての最大の繋がりだ。
子供の頃、ふとそれに気がついたとき、俺は無理に人と会わずとも平気になった。
なぜなら、会わずとも繋がりを感じるからだ。
そして、この真実を知ったとき、その繋がりは会ったときにはさらに強くなる。
会ったときはなによりも繋がりを感じるが、会わなくても全く寂しくない。
愛する人、愛した人、嫌いな人、嫌われた人、友達、家族、知人、他人、全ての人は奇跡的に同じ時間にいる。
それだけで十分だ。
我々は、長くてもたった100年程度が全ての時間だ。
一人々々が後悔がないように皆それぞれに生きようとしている。
それはいいことだ。
ただ、同じ時間に巡り会えた奇跡を知らずに生きることはしないでほしい。
まずは気づけ、そして奇跡を感じろ。
たった100年程度の時間で全ての人とは会えない。
しかし、そんな中で、約46億年の歴史でこうして巡り会えたことは奇跡だ。
忘れないでほしい。
本当の奇跡とはあったかいものだ。
本当の絆とはあったかいものだ。
忘れないでほしい。
人は誰でも、自分自身という孤独と共に自分自身という他人を持っていることを。
忘れないでほしい。
奇跡とは、気がつかないだけですぐそこにあることを。
忘れないでほしい。
会えなくても感じることを。
忘れないでほしい。
人は人であることを。
繋がりたがりの現代人へ 貴音真 @ukas-uyK_noemuY
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