あなたの素顔が見て見たい
幽美 有明
裏と表の境界線上にあなたは立っていますか
裏と表。
これだけの言葉じゃなにを言っているかなって分かりこっない。だから言葉をつけ加える。
人の裏と表。
誰しも誰かに見せることの無い裏の顔を持ち。
誰しもが誰かに見せるための表を持つ。
中には表なのか裏なのかはっきりとしてない人もいるけれど。
概ね、人というものは表と裏を持ち。人前では猫を被る。
なぜならその方が楽だから。猫を被るだけで人間関係というものは楽になる。
だがそれと同時に猫を被るのはとても疲れる行為だ。常に自分を偽り相手に合わせて会話する。常に気を張って居れば疲れるのも必然、ストレスだって溜まるはず。
だからSNSが普及している今、ストレスのはけ口として裏垢を持つ人は多い。
一口に裏垢と言ってもそこには種類がいくつかある。趣味のため、不満をいうため、親しい人とだけ繋がるため。私が考える限りたぶん。大まかにこの3つになると思っている。
そしてストレスのはけ口として使う人は不満を言うために裏垢をもつ。
炎上したらまた消して作り直して、そんな行為がそこらかしこで起きている。
そして私のクラスで人気のある
現実とは違う似ても似つかない誰かが。
教室で見る彼はかっこいいと言われる部類の人間だ。告白だなんだと言う話も聞いたことがある。
そして内面的にもかっこいいと言える。乱暴ではないし、下品でもない。優しく頼りになるそれがクラスの中での彼という人の認識だ。
だがSNSでは全くの別人になっている。外面のことは言っても無意味なので言わないが、文字から読み取れる内面は別のものだ。
乱暴で下品なのかと問われればそうでは無い。やや女々しい。いやだいぶ女々しくなっている。
です。ます。と丁寧語で話し性別を不確かなものとしながらも、どちらかといえば女性とも取れる発言が多い。
表も裏もどちらもその人が持つものだから。
現実の彼もSNS上の彼も、どちらも朝霜という個だ。だが人は表か裏、そのどちらかが主となっている。
裏が主なら、表という猫と被っている。表が主だとするなら裏という影を隠している。と私は思っている。
なら朝霜はどちらなのか。現実の彼が主であり表なら。SNSの彼は裏という影になる。
だがどうにもSNSの彼は生き生きとしているように思える。
ならSNSの彼が、が裏であり主なら。現実の彼が猫を被っているのか。と言われればそれも違う気がする。
どちらも私には生き生きとしているように見えるからだ。猫を被るのは裏を隠すためにどうやってもいい人になりがちだ。つまり表と裏の差ができる。
だが現実の彼も、SNSの彼も差と言う差を感じない。
いったいぜんたい、どちらが本当の朝霜という個なのか。それが分かれば私はこの気持ちに決着をつけれる。
私は女の子が好きだ。そして私も女の子だ。
同性愛者という、普通とは違う特殊な人間だと言える。だが私はそれを隠したことは無い。表と裏のない生活をおくっていると私は思っている。
そもそも私は疲れることが嫌いだ。そして猫を被るのは疲れる。だから私は表も裏がない。いやもしかしたら隠していないだけなのかもしれないけれど。どちらにしろ明確に裏と呼べるものはない。
そして私はSNSの朝霜が好きだ。私から見てもSNSの朝霜は女としてみることができる。どこからも男の気配を感じ取れないから。もし演技なら俳優になれるだろう。と思うくらいには女らしい。その女らしさに私は惹かれる。
私自身女らしさというのを結構捨てている。まず猫を被って居ないから思ったことを私はそのまま言う。だからほとんど友達はいない。そして服もそこまで持っていない。寝る用、部屋着、出かける用。だいたい3セット分位しかない。服に詳しくないというものあるし興味が無いのもある。だが普通ならありえないし。あとアクセサリーも持ってはない。
化粧も必要最低限だけでメイク道具も少ない。
それに比べてSNSの朝霜は、服には詳しい、メイクにも詳しい、アクセサリーもいくつかあるみたいだし。私には無いものを持っていて女らしさを感じる。
そう簡潔に言うなら私はSNSの朝霧に恋している。そして現実の朝霜には全く興味が湧いていない。
もし、現実の朝霜が主なら私はあっさりとこの恋を捨てる。
しかし、SNSの朝霜が主なら私はこの恋を愛に変えたいと思っている。
しかし、しかしだ。私にはどちらの朝霜が主かわからない。もとより人の感情の変化に疎い私はだ。元よりどちらが主なのかも判別できないでいる。
だから朝霧、どうかSNSの朝霧が主であってくれ。なに、見て分からないなら直接確かめるまで。
「朝霧少し話があるんだけどいい?」
「
「ここじゃなんだから、帰り同じ方向でしょ。そこで話したいんだけど」
「わかった、じゃあ帰り道でね」
「うん」
さぁ、舞台は整った。帰り道、聞いてみようどちらが本当の君なのか。
もしSNSの君が本当の君なら、その場で告白しよう。断られたっていい。SNSの君が本物なら私は片思いをし続けられるし、幸せでいられるんだ。だからどうか私を幸せで居させてくれ。
もちろん私のわがままだが、私と君が付き合えばいい事づくめだ。
私は女の子と結婚できてしかも子供ができる。世間だった納得するさ。だって男と女が結婚式するのは当たり前なのだから。
君は女のままでいることができるし、猫を被らなくても良くなる。
楽しみだどちらが本当の君なのか。
裏と表の境界線上で本当の君を見極めよう
あなたの素顔が見て見たい 幽美 有明 @yuubiariake
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます