勇者ランクZの奴隷狼は外れスキルで成り上がる
きじとら
第1話 孤児奴隷制度と少年
3000年も昔、
毎日の様に血が流れ、死者も絶えなかった。
それを見た神々は、
しかし、神話の時代から3000年たった今、
「ん……」
目が覚めた少年は目の前の光景を見て驚愕した。
国が滅び、
「アルシェード様、魔王グラヴィス=ハイド様がお見えです」
後ろから声を掛けられ振り向く。そこには片膝をついて頭を下げる15歳くらいの女性がいた。
「やあ、アル君。元気だった?」
女性の後ろには黒と金で作られた高価な服に身を包んだ銀髪の青年が居た。その瞳は鮮やかな薄紫をしていたが、優しそうだった。
「夢、か……」
夢から覚めた俺は体を起こした。そこは見慣れた地下牢獄。と言うより、奴隷商の檻の中だ。
服は薄汚れており、ボロボロ。首には鉄の首輪がある。その色は赤く、所々に錆びているところもあった。頭からは狼の耳が、腰からは狼の尻尾がある。しかし、服同様に薄汚れていて、グレーに見える。
「こんなところに来ていただいて大変うれしく思います。クラウディア卿」
「いいのよ。あ、そうだ!この中で一番幼い者はいらっしゃいますかね?」
聞きなれてしまうほど聞かされていた奴隷商パロギィ=クロフィッサの声ともう一つ、明るい少女の様だが上品さもある女性の声が地下牢獄に響いた。
「えー、それならば……」
二つの足音が近づき、俺の前で止まった。
「こちらの人狼族のオス、102が一番幼く、12歳でございます」
「おお!」
女性はきらきらした瞳を向けて来た。髪は黄金色で長く、目は碧色。上品な白貴重の服に身を包み、首からは高価そうなネックレスを下げていた。
「この子にするわ!」
「分かりました」
檻が開けられ、首の輪に鎖のリードが付けられる。
二人はお金のやり取りをした後、こちらを向き直った。
「じゃあ、行きますね。ありがとうございますパロギィ氏」
そうして俺は少女の様な貴族に連れられたのだった。否、買われたのだった。
勇者ランクZの奴隷狼は外れスキルで成り上がる きじとら @Noa_Werewolf
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