第2夜 当直の夜に
皆様こんにちは 猫之丞です。
またお会いしましたね。
今日は友人から聞いた話をまた少しお話したいと思います。
では……
友人……Hの仕事は介護職だ。
介護の仕事には日勤・夜勤・当直とある。
今回お話するのは、彼が当直の日に起こった出来事をお話したいと思う。
Hの当直の夜、Hの居る当直室に彼女のN子が弁当の差し入れに来た。
「H君、差し入れだよ♥️」
「N子ちゃん、いつもありがとう♪」
「良いんだよ。好きでやってる事だから♪」
N子はHの当直の夜は必ず差し入れで弁当を作って持ってくる。
N子は当直室に入り、Hと談笑を始めた。
時間の立つのは早いもので、気付けばPM9:00
Hが施設内の見回りに行く時間となってしまった。
「じゃあ私帰るね♪」
「わざわざありがとうね。見回り終わったら美味しく戴くよ」
HはN子と一緒に玄関ロビー迄来た。
N子を見送る為だ。
「じゃあ気を付けて帰れよ」
HはN子に話し掛けるが、N子はロビーから伸びる廊下の奥を見詰めたまま反応しない。
「おい、どうしたんだ? N子?」
HはN子に強めに話し掛けた。
「ううん。何でも無いよ。大丈夫だから」
やっとN子から返事が。
「何が大丈夫なんだ?」
「何でも無いよ。心配しないで」
HがN子に話し掛けている間、N子の視線は廊下の奥を見詰めて動かなかった。
やがてN子が帰宅し、Hは見回りを始める。
普段ならなんて事も無い見回りだが、今夜だけはN子の言動が気になり、暗闇がより一層不気味に感じた。
見回りが終わり、Hは当直室にある布団を取り出し就寝の準備に入った。
しかし、やはりN子の言動が気になり眠れない。
HはN子にメールを送る事にした。
" さっきのお前の言葉が気になって。何があったか教えてくれないか? "
送信してから暫くして
ブーッブーッブーッ
メールが届いた。
" 知らない方が良い事もあるんだよ。 気にせずに当直頑張って。どうしても知りたかったら明日教えてあげるよ。 じゃあおやすみ "
……気になるな。でも、明日教えてくれるって書いていたし。
そう思ったHは、布団に入って寝ることにした。
そして次の日。 当直も終わり、HはN子に昨日の言動を聞くことにした。
やはり気になって余り寝れなかったとの事だった。
「どうしても知りたい?」
「知りたい!!」
「……分かったよ。 私が廊下の奥を見ていた理由はね、あの時廊下の奥から、下半身の無い日本兵の格好をした" ナニカ " が這ってこちらに来ていたんだよ。 あれは、こちらが気にしなければ大丈夫なんだ。害は無いよ。 だから大丈夫って言ったんだ。分かった?」
Hは賑やかに笑うN子を見て思った。
" こいつの言う事は素直に聞こう " と。
さて、今回の少しだけ怖い話 どうでしたか?
またいつかお会い致しましょう。
それではまた……
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