第14話
今日は七夕、
私とお姉様もそんな彦星と織姫のような関係となってしまいましたわ。
私は今年、受験を控えあまりゲームはできず毎日勉強漬けの日々、お姉様は相変わらず多忙に働いていらっしゃいますわ。
今まではリアルで会うことは少なかったものの、ゲームでは時たま顔を合わせ一緒に旅をしていたのですが、今となってはそれすら叶いません。
「はぁ、お姉様……」
だから私は天に願うのです。お姉さまに会わせてください、と。
そんなことを考えているとどうしても勉強に手がつかず、久しぶりに息抜きにゲームでもしようとログインをした時でした。なんと、フレンド欄のお姉様がオンラインになっていたのです! これはいても立ってもいられませんでしたわ。
何も考えずに急いで身支度をし、ログインすると、そこには愛しのお姉様が立って一らっしゃいました。
「あら、イチゴ。珍しいわね、勉強は良いの?」
「はい、勉強はいつでもできますし、毎日行っておりますわ。それよりも……」
「流石ね。NUSに行くんだったかしら?」
「はい! お姉様と同じ大学ですわ」
「ふふっ、確かにあそこはいい大学だったわね。でも、今だったら清華大とかの方がいいんじゃないかしら? イチゴだったらいけるんじゃないの?」
私は返答に窮してしまいましたわ。お姉様は私をとても高く評価してくださっていますわ。ただ、それでも私の気持ちは全く揺らいでませんの。お姉様と同じ大学というだけで……私は悪い子ですわ。
「まあ、私が口出すことではないわね。イチゴが決めることですし、言って仕舞えばどこが良いかなんて神様にも分からないんですもの。それよりも今回ログインしたのはもしかしてイチゴもイベントに参加しに来たの?」
「え?」
「ほら、今回のイベント、七夕だからサーバーで二人だけがレアアイテムをゲットできるじゃない? イチゴもそれを狙ってるのよね?」
「は、はいそうですわ!」
これは全く予想外でしたが、天に願いが届いたんですわ! きっと毎日勉強している私にお天道様が今日はご褒美だと言ってくれているのですわ!
「じゃあ、張り切って行きますよーー!!」
「ふふっ、そんなにこのアイテムが欲しかったのね。じゃあ、私もイチゴの為に一肌脱ごうかしら」
そうして私たちは楽しい楽しい七夕を過ごすことができましたわ。
あぁ、今日みたいな幸せな日々が毎日続けば良いのに……ですわ。
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主人公は多分、ユグドラシルに篭ってて不参加です。
死にたがりが逝く!〜イチゴ奮闘記〜 magnet @magnetn
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