文章は跳躍し、映像は伸縮し、読者はどこに連れていかれるかわからない

いかにも子どもの絵日記風な文体の一文目から続く二文目で一気に文章は跳躍する。あとはもう絶え間なくたった1200字程の中で跳躍し続けて、読者を引きずり回していく。タイトルは「どこにもいけない」のに、読んでいる側は「どこに連れていかれるのかわからない」。そしてこの作者は多分「どこにでもいける」のでしょう。電信柱や月やゴム風船ががぐわーっと自在に伸縮するような、クレヨン殴り書きっぽいタッチの不気味なアニメーションが頭に浮かびました。好きな人にはたまらない、傑作、と思います。

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