第14怪 幸せな日々

私は他の同志家庭と同じで中流でごく普通の家庭だと思う。

お母さんは軍人で偉くはないけど祖国のために戦っている。

クラスの皆んなも先生も誇り高いお母さんだと褒めてくれる。


自慢のお母さんなんだ。


軍隊には報償があって活躍したら特別支給品が支給される。


家には他の家庭にはない電化製品が沢山あって友達が遊びに来ると羨ましいと言う。


戦争があるとお母さんは戦地に赴く。


少し寂しいけど、郵便局員のお父さんとお母さんの無事を祈りながら帰りを待つんだ。


お母さんが不在の間、掃除洗濯は私が行うの!


今日は天気が良いから朝から報償の洗濯機で洗濯をする。


失敗もたまにする。


白いシーツとか白色は禁物。


洗濯機で洗うと赤茶色になって台無し!


だから洗濯機では白モノは洗えない。


そうそう、洗濯物を外に干す時は目が離せない。


蝿が沢山寄ってくる。


追い払わないと蝿がびっしりと洗濯物に集ってくる。


本当は洗濯機では洗いたくないいんだ。


学校で生臭いとよく言われるから、最近は制服は洗濯のタライで手で洗う。


お父さんもお母さんから貰った高価な腕時計をしてるけど、時計のバンドに髪の毛が纏わりついてていつもバンドを掃除してる。


一番厄介なのは、お母さんがくれた大きなぬいぐるみ。


西欧で流行っている人気のキャラクターだけど、抱いて寝るとシクシク泣くの。



お母さんもう報償品はいらないから戦場であまり活躍しないでね。


だって家の中に知らないおじさん、おねーさん、子供たちがいっぱいになっちゃつてるから。






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ハロウィーンよ!ファンタジーホラー あやしい怪異【ショートストーリー集】※あなたも私もホ〜ラホラ〜 ふぁーぷる @s_araking

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