お前の強さに付いて行けない。と言われてパーティーメンバー全員に逃げられてしまったので、仕方ないから魔王の残党軍に入隊した

@yuki0228

序章

第0話【その男の半生】

剣と魔法のファンタジーな世界、アスガルト。


そんな世界は長年人間と魔族の争いが絶えないものの、両陣営とも繁栄した社会を築き上げていた。


そんな中、とある王国の片田舎の外れにひっそりと住んでいる貧乏夫婦の下に子供が生まれ、男の子であったその子供はミツルギと名付けられ愛情いっぱいに育てられた。


そして彼が五歳を迎えた頃に、両親はミツルギがこの世界の者ならば自然と普通に扱う事の出来る魔法の力が圧倒的に弱い事に気付き、ミツルギの将来を憂いた両親は、将来はあまり魔法を必要としない職業について細々と暮らしていける様に。と、なけなしの金をはたいて立派な剣を買い与えてあげた。


彼は幼いながらそんな両親の想いを受け止めて、そのささやかな願いに応える様に、師なんて居ない彼は周囲の大自然を師と仰ぎ、まだ幼い彼では振る事すらままならない剣を必死に振り続ける事を始めた。



やがて十日、百日、千日――雨の日も、雪の日も、嵐の日も…一日も欠かさずに毎日半分以上の時間を使い、段々と常軌を逸する剣の鍛錬を重ねていた彼が十五歳を迎えた頃、愛情いっぱいに育ててくれた両親が突如現れた魔獣によって殺されてしまう。


自分の居ない時に起こってしまった出来事に嘆き悲しみ、その魔獣を怒りに任せて殺して仇を取った彼であったが、両親を喪い帰るべき場所も失ってしまったので致し方なく、ずっと大事に使っている両親に買って貰った大切な剣一つを持って旅発つ事にした。


そして田舎を離れて自分の見聞を広める為に一年程旅をした後に、そろそろ落ち着こうと彼は両親の願い通りに魔法を使わなくても済む冒険者にでもなろうかなと、王国内にある適当に見つけた冒険者ギルドに入るが、一人で居たかったが規則と言われたので其処でたまたまメンバーを募集していた同じ年代の男二人と女二人のパーティーに入る事になった。


それから更に十年以上の月日が流れ、難しい依頼をいくつも果たして来た彼が所属するパーティーは王国内で名を馳せる様になっていたが、とある依頼の失敗が引き金となり、その任務で死にかけたパーティーメンバー達全員が逃げ出してしまう事態となってしまったのであった。


――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お前の強さに付いて行けない。と言われてパーティーメンバー全員に逃げられてしまったので、仕方ないから魔王の残党軍に入隊した @yuki0228

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ