GURPS。懐かしいですね。実に懐かしい。
私もやりましたよ、GURPSの主なルールはほとんど。
妖魔夜行で1000CP使って……とか、連日連夜やってました(当時高校生~大学生だったかと)
これはまさにそのGURPS妖魔夜行を物語に落とし込んだような、(その時点で)懐かしい気持ちになりました。わかる、わかるぞ。
ストーリーは時代を見据えたものになっていて(今は2024年ですが、本作描かれたのは2020~2021年)、題材の取り込み方、持って行き方がうまいなーと思いました。
キャラクターも個性がそれぞれに良く考えられていて、視覚的に(という表現でいいのかな?)とてもわかりやすいところも◎
懐かしい気持ちになりつつ、しっかり楽しめました!
ありふれた高校生活を送っていた幼馴染三人――離宮涙人、延生凱斗、志場神羽花――が、ふいに現れた異形に襲われ、『妖魅』と呼ばれる妖怪の世界へと引き込まれていく、現代ファンタジー。
園芸を愛する涙人、野球に情熱を燃やす凱斗、病弱で疲れやすい羽花。性格も好みも違うけれど仲の良い三人は、神戸ルミナリエの初日に阪急神戸線・花隈駅にて、非常に奇妙でおぞましい姿の怪物に襲われます。
少年二人は羽花を守ろうとするも、得体の知れぬ相手に戦うすべもなく大怪我を負わされてしまい、そこに現れた年配の男性に助けられるのですが。その後、三人は、人生を左右する決断を迫られることになるのでした。
物語は三人それぞれの視点を交代しながら、妖魅と関わることによって生じた少年少女の内面変化を、丁寧に書きだしてゆきます。
写実的で世相を反映しつつ描かれる現代社会の裏側に、現代に生きる妖魅たちの世界が息づいている。そんな日常と隣り合わせの怪異が現実に侵食してゆく様は緊張感がありますが、登場キャラたちはやわらかく個性的で、女性キャラは可愛らしいです。
冒頭に現れた異形が、どんなふうに物語と関わってくるのか、少年少女はどんな決断をくだすのか、興味は尽きません。ぜひご一読ください。