徐々にぼやけていく思い出や声。向こうからの干渉にも煩わしげな主人公に、いまの自分を重ねて身につまされたそれでもさいごは少女のもとへ漕ぎ寄せられますように。
ポストアポカリプスという言葉があって、わたしのようなラノベ民には妙なるラッパの響きなんだけども、こういう静かな滅びもあっていいのかなと思う。皆が皆、やれやれまたやっちゃいました?みたいなヒーローになれるわけがないし、もちろん超絶チートなんかない、なんなら家族を蔑ろにしたダメおじさんだったことがバレちゃってもいい、でも、たった一人の、見ず知らずの、その子が怖がっているという理由だけで、どこにいるかわからない誰かのところへ向かう。そんなおじさんは、静かにカッコいい。