旧校舎第三部活動室(800字版)

佐々木は帰宅部だがこの頃、授業が終わってもしばらくの間学校に居残っている。それを不審に思った少女、梶原が佐々木の後を尾けると、彼が旧校舎に入っていくのを目撃する。旧校舎二階、第三部活動室の前で佐々木は何か呪文のようなものを唱え、部屋の中へ入っていった。それに続いて梶原も部屋の中へと入るが、そこに佐々木の姿はなかった。1時間ほどして、佐々木は満足げな表情で、無人だったはずの第三部活動室から出てきた。それも、奇妙な生き物を連れて。


梶原は不思議に思い、佐々木が帰ったあと、咄嗟に録音した佐々木の呪文を扉の前で再生し、部屋に入った。その先に広がっていたのは異世界だった。梶原はエルフの少女、レイラに助けられ、エルフの村に案内される。そこで、佐々木がエルフたちに数学などの学問を教えていることを梶原は知る。食事をごちそうになってから、エルフたちに佐々木が連れていた生き物について尋ねると、エルフたちはそれが魔獣の幼生であることを告げる。環境次第では一晩で成長しきってしまう魔獣を野放しにするわけにはいかないので、レイラと共に梶原は佐々木の家へ向かうことに。あちこち珍しがるレイラの手を引いて、梶原は佐々木の家へと向かう。しかし、時すでに遅し。佐々木の家は半壊していて、魔獣は逃げ出した後だった。


その日の夜。梶原はレイラと共に罠を張り、魔獣を誘き寄せる。魔獣はまんまと嵌ったが、寺社仏閣に集積された念を相当数喰らっていたので、すぐに振りほどかれてしまう。そこで、奥の手として用意されていた被害にあった寺社仏閣の住職や禰宜に協力してもらっての封じ込めを行った。寺社仏閣の念を喰らったため、効果は十分発揮され、魔獣は封印された。佐々木一家は母方の実家で生活することになった。梶原は異世界の文化や習俗に興味を持ち、出禁になった佐々木に代わって数学などを教える対価として、異世界のことを教えてもらっている。


[コンセプト]

ラノベの新人賞とかでは800字であらすじを説明することが要求されるので、それを意識してみました。※ここの85字は物語部分ではないのでカウント対象外とします。

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習作置き場2020夏 里場むすび @musmusbi

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