最終話 未来

 湊人はヘッドギアを静かにテーブルに置く。

「どうだった? ひぃ爺ちゃん」

「見たかったものは見れた。しかし、全ての真相は分からなかった」

「そっか。でも、満足したって顔してるよ」

「そうだな」


湊人は、あの後、都立武蔵野中央公園の大木に寄り添って寝ていた所を警察官に保護され、両親に一生分怒られた事を思い出す。


その後、少女の事を話すが誰も信用してくれず自分でも夢だったのかと長年、思い込んでたが、これではっきりした。


メモリースキャンは、幻は見せない。

その人物の純粋な記憶しか見せない機械。

つまり、あれは現実だったんだ。

湊人は、窓をに目を向ける。


ここは、大都会東京。2100年も日本の中心地。


今も多くの高層ビルが立ち並ふが、昔と異なり、そこには草木がいっぱい生い茂っている。

行き交う人々の間には常に何かしらの植物が生えており、ハグロトンボも優雅に飛び回っている。


「確かに目の前の欲望に目が眩み、周囲の迷惑を考えずに行動するのが人間である。だが、自らの過ちを認め、周囲と共存の道を共に歩もうと努力するのも、また人間なんだよ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

メモリースキャン 〜武蔵野での出会い〜 盛田雄介 @moritayu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ