君に出逢って

房成 あやめ

君と出逢って

あの雨の日。君に助けてもらった日から

いつも君を想っている。

一瞬たりとも忘れてない、と断言できる。


あれは大雨の日

僕は傘を差さず茫然と立ち尽くしていた。

「よければお貸ししましょうか」

そう言って君は持っていた傘を僕に差し出した。

断ろうとすると、「家すぐそこなんです」なんて言って走って行ったっけ。

小さくなっていく背中をかっこいいなと見つめていた。


綺麗な深い目も、その唇も、健康的な肌も、黒髪も、背中も、細長い指先も

いつも僕の心の中に描かれている。


すれ違うたび、君を思い描くたび、妄想するたび

ドキドキドキドキ きゅぅ

って苦しくなる。

目があったら、もうそれだけでその日は幸せ。


僕からすれば君は遠い存在で、声もかけられない。

君が僕のことを見えているのか分からない。

君に気づいてほしい、なんて七夕さまにお願いしてみたりしてさ。らしくない。


でも、毎朝君を見るたびに拍動が速くなっていく。

かなわないと知っていながらも

 「好き」

が大きくなっていく。

溢れそうなほどにね。


いつかこの恋は実るのだろうか。

いいや、実らなくてもいい。


ただ君が笑っているのを見られたら。


それで幸せだ。


君に出逢えて僕は生きる意味を見出せたんだ。


ありがとう

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君に出逢って 房成 あやめ @fusanariayame

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