俺は伊藤。高校2年生。名前はあってないようなもんなので別に憶えてもらう必要はない。幼馴染である恵梨香とは小学生の頃からの付き合いだ。明るくて可愛くて、とても優しい彼女が好きだが、未だ告白できずにいる。

つきかげ御影

ある日の放課後、恵梨香に呼ばれて屋上へ行くことになった。しかし、タイミングを見計らったようにお腹痛くなったので戦争へ。打ち勝った俺は、今から最終チェックを行うとしよう。髪よし、服装よし、剃り忘れ無し!

どういう理由で俺を呼び出したのだろう。やっぱ告白? それとも、罰ゲームじゃないよな……? さっき戦争に勝ったはずなのに、腸が再びざわめく。階段ってこんなに長かったか? 行きたいけど、行きたくない……。

冷たい空気の中、恵梨香はそこで待っていた。「話って何?」「え!?」「どうしたの?」彼女は目を見開いたまま、手で顔を覆っている。「伊藤くん、あのね……」「うん……」恵梨香は、息を吸ってから俺にこう言う。






「ファスナー開いてるよ」






























































 おれはふられた





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俺は伊藤。高校2年生。名前はあってないようなもんなので別に憶えてもらう必要はない。幼馴染である恵梨香とは小学生の頃からの付き合いだ。明るくて可愛くて、とても優しい彼女が好きだが、未だ告白できずにいる。 つきかげ御影 @mgr_tokage

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