藤見の不死身

『一人で行動しないほうがいい』

私をさらったヤクザに言われた言葉

その言葉はそのとうり正しいのである


一人では体力的にもそろそろ限界だ

せめて私がさらわれたら警察に連絡できるだれかが必要だ

なんせ独り身、独りきりの政治活動だ



秘書の募集をする事にした

他にもスタッフは必要になるが、まずは秘書だろう


頭がよく、強い人がいい

そして運のいい人が大事だ


とにかくこのサバイバルを一緒に生き残れる人がいい

地方紙に募集の広告を出すことにした



秘書が見つかるまでしばらくかかるかもしれない


しかし、私の政治活動を止めるわけにはいかない

私は不死身について有識者の意見を求めることにした


政治家になった。その権限を最大限生かさなくてはいけない


『本当に不死身は実現かのうなのか?・・・』

私は知っておく必要がある



医学者に聞いた

『不死身になる事は可能か?』


ある人はいった

『テロメアがあるために、寿命はきまっている』

『興味はあるが難しい』


別の人はこう言う

『120歳を超えて毎日あたらしいガンが発生する』

『無理だ』


別の人はこう言う

『死を過剰に恐れる病がある』

『苦しいのなら、相談にのろう』



そして、とある医者がこういった

『生きながらに人のDNAは書き換えられる技術がある』

『寿命も伸ばせるし、障害も克服できるかもしれない』

『恐ろしい技術ではあるが、こういう目的に使うのかもしれない』

『しかし、私はバイオハザードの世界に様な気がするね』



科学者や宗教家に聞いた

ある社会学者がこう言った

『人が増え続けると戦争が起こる』

『そして、その時の戦争はこれまで以上に凄惨なものになる』


またある科学者はこう言った

『悪い人間が永遠に世の中を支配すると思う』

『その時は本当に地獄かもしれない』


ある人はこう言った

『体をサイボーグにする方法がある』


ある人はこう言う

『人がイメージできる事は実現できる』

『たしかに、飽きるまで生きればいい』


そして、ある宗教家がこう話した

『人は死んで、また生まれかわる』

『私たちは永遠の輪の中にすで不死身といっていい』



・・・・

・・・・


そして藤見はこう感じた

『死後の事なんて誰も見たこともない。わからない』

『わからない以上、不死身をもとめるさ』

『今、不死身の技術は不可能でない事を強く印象に残った』

『社会制度なんて何とかするさ』





自宅に戻り、資料や有識者の意見をまとめていると電話が鳴った

『プルルルルルルルルルル』


『もしもし』

(秘書の募集だろうか?)


聞いたことのある。太い声が聞こえた

『おい、秘書がきまったぞ・・・・』

ヤクザのボスだ


藤見は答えた

『どういう事でしょうか?』


ボスは話す

『秘書募集しとるんやろ』

『喧嘩のできるやつがええな』

『頭もわるくない』

『心配せんでいい、身もきれいなもんや』

『いまからそっちによこすわ』

『決まりや』




(ヤクザの秘書はダメだろう)

(しかし、経歴は問題ないといっている)

(そうなれば、命を狙わえないし、守ってもらえる・・・いい話かもしれない)

藤見は少し間を開けて答えた

『ほんとうですか』

『たすかります』




少しして、1人の来客が現れた


美しい女性だった

名前をサヤという

『秘書として働きます』

『よろしくお願いします』


藤見は意表を突かれた

『こちらこそ、よろしくお願いします』

(秘書は男だとおもっていた)


サヤは続けて答えた

『父から連絡が言っていると思います』

『一応、英語と中国語が話せます』

『空手をやっておりお役に立てると思います』



藤見は自己紹介があまり頭に入ってこなかった

(ヤクザの娘に手は出せない・・・)


親分から命を狙われる心配はなくならなかった

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不死身の政治家ー藤見健太郎 おむすびロコロコ @nobson50000

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