とらわれの藤見
藤見の顔はボコボコに腫れあがっていた
椅子に座らされて
ロープで足と手はしばられている
藤見はヤクザにどこかわからない倉庫に拉致された
そして、死にかけていた・・
藤見を囲む男が3人
物静かだが、一番偉そうな男が言った
『もう、民衆を惑わすような事を言うのはやめんか』
『政治家辞めてくれんですか?』
『不死身っていうのはないんですよ』
『医者も言っているし、政治家も言っている』
『そんなに生きて何になります?こんな地獄の世の中で』
口の中がいたい
藤見は言った
『死んで何になる?』
『誰かが言った天国や地獄を信じるのか?』
『100年後、100%おあんたは死んでいるんだぞ』
『自分が消えてなくなるのに、なに悠長な事を言っているんだ』
『生き残る努力をするのに何が悪い』
藤見は付け加えた
『誰に言われてやっている』
『そいつは、100年後も生き続けるかもしれないぞ・・・』
ヤクザの頭領は藤見の腹を一発殴った
おもいっきり
藤見は嗚咽をうった
『おおおぇぇぇぇーー』
頭領はいった
『世の中には、入っちゃいけねーところがある』
『殺すなと言われているから、生かされてるだけだ』
『しかし、このままじゃ不死身どころか、明日死ぬぞ』
藤見は弱く答えた
『俺は、不死身のヤツを知っているんだ』
『そいつは、不死身をくれてやると言っては
政治家や、金持ちを思いのままに操って
どんどん、力をつけていっている』
『時には、死の怖さを人に見せつけて楽しんでいる』
『これは、世界を不死身の呪いから解くための政治だ』
・・・・はったりだ、だがこれは私の感じている可能性だった
世の中は、誰の思惑なのか理不尽に動く
税金は上がり、望んでいない戦争が起こる
なぜ、メディアも政治も本当の事を伝えないんだ
・・・・何がそこにあるんだ・・・・不死身の技術にみな操られでもしているのか?
ヤクザの頭領は少し黙ってから切り出した
『・・・・・』
『懲りないやつだな、殴るのももう疲れたわ』
『今日はかえしたる・・・負けたる』
『その代わり、ちょっと殴られたぐらいでガタガタいうなよ』
藤見は、拉致さえた家の前まで送られた
ヤクザの親分はこう話す
『一人で行動せん方がええな』
『わかるやろ』
そしてこう言った
『不死身はそんな、大きな声でいうもんやないんや』
『しかし、一度抜いてしまった宝刀かもしれん』
『お前には、事を収める鞘(サヤ)が必要や』
そう言って黒のハイエースは走り去っていった
家の前で一人
ただボー然とした
そして、また生き残った事にホッとした
警察には電話しない、そういう約束だ
『ちょっと殴られたくらいって・・・肋骨折れている気がする・・・』
『一人は危ない・・』
藤見は秘書を雇おうと思った
不死身の政治家ー藤見健太郎 おむすびロコロコ @nobson50000
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。不死身の政治家ー藤見健太郎の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます