【140字小説】どこにも行かないで

王子

どこにも行かないで

 地球上の様々な物理システムは重力のおかげで秩序を保っている……とされているが、実のところ、重力は人類を縛るための鎖だ。

 地球は大変寂しがり屋なのだ。

 有人ロケットが宇宙に飛び出すのを見送る、悲しげな目といったら。

 生命が芽吹いたあの日からずっと、この星は永遠の嘘を抱えて回り続けている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【140字小説】どこにも行かないで 王子 @affe

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ