スイカ割り

ジュン

第1話

彼女はスマホで言う。

「今度の火曜日の夜に会いたいの」

僕は言った。

「どうしたの。急に」

「夏だから、夏の思い出作りたいの」

火曜日の夜、彼女はうちに来た。

「スイカ買ってきたわ。夏だから」

「おいしそう」

「スイカ割り、したことある」

「子どもの時にあったような」

彼女は言った。

「スイカ割りしようか」

「え。でも……」

「0時ピッタリに割ればいいのよ」

「…………」

「今日は火曜日なんだから」

「明日は水曜日……」


終わり

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スイカ割り ジュン @mizukubo

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