第2話のあとがき・お知らせ

 「第2話 深く芳し花の香よ、千のゆかりに咲く恋は」を、そして何より『藤の花恋』を最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

 第2話は、月夜の鬼シリーズ本編の親世代の話で、碧霧と紫月の出生までを千紫と深芳の恋物語を中心に語っています。


 あまりテーマなんてものを深く考えず書くことが多いすなさとですが、今回の第2話は密かにテーマがありました。「ミソジニー(女性嫌悪・蔑視)」と言えば良いでしょうか。

 ミソジニーと聞くと、多くの人が男性から女性に対する嫌悪だったり蔑視を思い浮かべるのではないかと思います。確かにそこは揺るがないのですが、その実、ミソジニーは女性自身にも染みついているものじゃないかなと私は思います。

 男性優位の世界で女性が抱える生きづらさ、女性であるがゆえに冒涜ぼうとくされる理不尽さがあるというのは当然ながら、無意識の中で女性もそれを受け入れているという現状がある。そして、それに抗っているように見えても、結局はその悪循環から抜け出せない。

 この話で実は最も書きたかったところですが、「え? そんなもの深く伝わってこなかったけど??」と思った皆さん、まあ、すなさとの表現力なんて底が知れていますし、この問題をえぐりきれるほど書く度胸も覚悟もございません。ヘタレな私の独り言として聞き流してくださいませ。


 さて、柄にもなく真面目に語ってしまいましたが、最後までお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございました。更新ごとに付くPV・ハート・コメントの反応や、ちまちまと増えていく星評価やレビューが書き続けていく上での活力となりました。

 最後は新しい時代への幕開けを予感させる終わりとしたつもりですが、最後ぐらいは多少なりとも晴ればれとしていただけたでしょうか。


 余談ではありますが、第2話になってからコメントが本当になくて(いえ、ないことへの不満ではなく)、皆さん息を殺して読んでらっしゃるというか、もう無言の圧が半端なく、すごいプレッシャーでした(笑)。


 そんなこんなの『藤の花恋』でしたが、私としてはとても楽しく書かせてもらった次第です。個人的には、前作の『九尾の花嫁』より好きかな。というより、あっちは高校生の初々しい恋物語ですからね。比較対照にならないと言えば、それまでなんですが。


 というわけで、今後の予定を少し。


 完結ボタンを押しましたが、後日談を番外編としていくつか書く予定です。

 基本的に短編オムニバス形式です。本編で書けなかったことや、書き足したいことなどをあれこれ書ければなと思っています。不定期更新となります。

 また、新作公開についてですが、今年も仕事が忙しいこともあり、具体的な時期は未定です。できれば年内までにぐらいの気持ちで、気負わずに頑張りたいと思います。(人生がノープランなくせに、昨年この『藤の花恋』のスタート時期を宣言したら酷い目に遭った。)

 しばらくは恒例の充電(放電?)期間となります。エッセイを書いたり、カクヨムサーフィンしたり、ちょっとのんびり過ごそうかなと思います。


 最後になりましたが、鬼姫たちの恋物語を少しでも楽しんでいただけたとしたら、これに勝る喜びはありません。読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

 それでは、またカクヨムで会いましょう!!


 2022.7.2 すなさと拝



---- 関連作品 ----

『月影を統べる王と天地を歌う姫』

 碧霧と紫月が紡ぐ甘い恋と辛口な成長の物語

 https://kakuyomu.jp/works/16816927859669026928


『九尾の花嫁』

 伊万里と伏見谷の妖狐・壬のじれじれ恋物語

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054886283502

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