アダムとイブ、そしてドラゴン

@01haru

第1話 ドラゴンはマンションに住む

「太陽の歴史を記録する偉大な業を担った存在よ」


『...』


「まだ、未練な人間を先導し、その隅行を許す者よ」


『な...』


「未知を洞察し、深淵と共にこの世を...」


『マンションの入口で、どこかまでそんなこと

言うつもりなんだよ。お前、名流大学のやつじゃろう』


地球と自分が住む星を定義する世界とは違うある世界。

偶然にも東京という名を持つ都市のあるマンションの入口。

20代にみえる女性がインタホンを通してある男性と対話している。


「すみません。準備した文章を全部読むのもこの、罰ゲ...いや

調査活動に含まれたことですから。おっしゃた通り、名流大学の

歴史生物学科から来た海渡かいどまきと申します。」


『今、罰ゲームといったな。いきなり訪れて他人のこと

なんと呼ぶのかよ。』


「先週、メール送りましたけど。もし、メールを送った人が着信のこと

聞くと、そこで確認するタイプですか?ダメですよ。毎瞬間、メールを確認する

癖を身につけないと。就活の時、泣きますよ」


『...歴代の調査員の中でも、君がナンバワンサイコだな。』


ピー、マンションの共用玄関が開ける。


『さつさと、入れ。長くいると住民に迷惑だから。』


「はい、お邪魔します。」


20101号、海渡が目的地に到着したら先の声の主人が疲れた顔で、

玄関を開いて無礼な客を迎えていた。185cmの身長、ほっそりな

体系、美形な顔まで、頭に突き出ただけなければ、モデルにも

思われるほどイケメンである男性。


「サイコ君、今日はよろしく。」


「はい、新録の偉大な主人さん」


「...ごめ、よろしく海渡君」


「こちらこそよろしくお願いします。ドラゴンさん」


ドラゴンの部屋に入る海渡、鉄製の机や椅子以外の基本的な家具も

ないシンプルな部屋だった。


「意外と地味な感じの室内ですね。7000年も生きてきた

ドラゴンだと聞いて、何かピカピカなこと期待しましたけど」


「ドラゴンの性格もケースバイケースだから、いやそもそも

ドラゴンが金を好きだということも昔、政治家が税金上げる

ため、作った空説からできた偏見だ。」


「アー、そうですか。初めて聞きました。」


「お前、歴史生物科学部生なんだろう。そのくらいは

知るのが、当たり前だろ?」


「いや、実は卒業単位がギリギリなので...、これも

誰もしないようとすることを卒業を条件で任されたことです。」


「ったく、60年前までは、世界のあちこちで私と契約を結ぶためあんなに、戦った

くせに、ドラゴンの名もここまで落ちたのか」


「ま、改め聞くことも知ることももう残っていませんですから、

3年ごとにするこの聴取調査も60年もやったら聞きたいものも

ないでしょう。おかげで、うちの大学も結構、ノーベル賞受けたようですけど。」


「それも、お前のような落ちこぼれの卒業単位与え用のサービス券扱いか。」


「それよりは、冷蔵庫にある賞味期限切れのソーセージ扱いがふさわしいかもしれませんね、今さら捨てることも食べることも曖昧な感じ」


「いや、捨てろよ、いや捨てちゃ、じゃなくて誰がソーセージだ。」


人間に好き勝手に翻弄されるドラゴン、過去、人間に守護と繁栄を

もたらした存在も現代には、そのくらいの存在だった。


「で、君は何を聞くかな、落ちるよころまで落ちて、もはや秘密も、

威容も骨の髄まで掘り出されて、何の価値もない時代遅れのおもちゃである私に

君は何を知りたいのか。」


「あ、考えたことがないんですけど、

どうしましょうかね」


「そのくらいは、事前に準備しろよ」


「それが、できる人間だったら卒業単位もとっくに

取ったでしょう。」


やっと、握ったと思った話の手綱が簡単に切れたことを

感じるドラゴン。目の前の人間は、昔自分に挑戦してきたどんな人間より

手ごわい相手だった。


「だったら、最初のことから始まりましょ7000年前に

地球に到着したことから」


「創生期のことを知りたいのか。」


「いえ、そこから始めて、したいだけ話してください。

後で、適当に私が好きな部分を集めてレポート書きますから」


スマホのレコーダーアプリを起動する海渡。


「ったく分かった。だから当時の俺は100をちょっと超えるドラゴンと

宇宙を遊覧していた。」


「旅行だったんですか?」


「本性に近いかな、ドラゴンは興味を感じないとすべてを

捨てて、新たな場所を探す本性がある。私たちが生まれた惑星は、

前の世代、だから私たちの親らが気に入った惑星だったから。うちの

世代のドラゴンほとんどは、好みに合わなくてさ、8割くらいは

その惑星から出て自分の惑星を探しに行ったんだよ。」


「え?だったら、7000年以上の時間を家族と離れたんですか?

好みに合わなかったから?いや、後でも会うのでしょう家族?」


「うちは、その好みがすべてさ。もともとから、親子の絆という

ことも薄いし、特に悪い感情は持っていないけど、会いたい感情もないよ。

一緒に旅をしたドランゴンの中でも、家族と会いたいといったやつはなかった。

いや、そもそも家族が好きな奴はその惑星からでない奴らかな」


「へー思ったより、面白いですね。で、生まれた惑星から出て到着したのが

地球っていうこですか?」


「中間に、いろいろあったけど、そう。当時には、話が通じるやつが

4人しかいなかった地球。いや、『人』といっちゃだめか。」


「3神と1人ですよね。偉大な創世女神たちと神聖なわしの先祖」


「くっ、直接あいつらみたらそんなこと言えない。

性格悪いばば3神とママボーイにすぎないよ」


「ハハハー、そうですか」


 笑う海渡、彼女にとって世界最大の宗教である3神教でもっとも高い

存在として扱かわれる彼らを隣の変な家族のように話すドラゴンが

不思議に見えた。酷烈な信徒が聞いたら、驚愕する内容だった


「これ、ヨロッパやアメリカだったら絶対に銃に撃たれる内容ですね」


「ふん、私がなぜ日本で住んでいるんだと思う?道を歩くとき、いきなり知らない人に『邪悪な蜥蜴よ消せろ』だと聞く気持ちをわかる。」


「ギャハハハー」


さらに、大きく笑う海渡


「だから、日本に住んでいるのですか、狂信徒を避けて」


「それだけではないけど、そもそもあそこまでする

信徒ってごく一部よ。様々なことがあったから」


言いながら、海渡の顔を一瞬ちらっとみるドラゴン

海渡は笑っていたからそれに気づけなかった。


「それで、3女神と100くらいのドラゴン最初の出会いは

どんな雰囲気だったですか?」


「それがさ、意外と...」


つづく


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