ある一人の探理官による手記 3

 人は変わるんだなと、あらためて思う。


 私の上司、長谷川高介はせがわこうすけ


 かつては冷徹で魔法犯罪者に容赦なく、覚醒者に厳しくあたっていたが、いまではすっかり丸くなった。


 やはり娘さんの復活がきっかけだろう。


 左の手足を失い、左目も失明した絶望から心を閉ざしていたが、その心を取り戻して立ち上がったばかりか治癒能力も覚醒した。


 いまでは探理官補佐たんりかんほさとして私たちと一緒に仕事をしている。


 いくらやる気と能力・実力主義の探理官だとはいえ、義手義足の状態からわずか二年ほどで成しえたのだから相当な努力があったことが分かる。


 チームにも打ち解け、上司とも父娘漫才おやこまんざいのようなやり取りをするので微笑ましく感じる。


 悪や魔に対して捜査し、毅然と戦う我らだが、だからといって笑顔をなくす必要はない。


 明るく笑っていいんだ。


 そんな気持ちを思い出させてくれる。


 ありがとう。


 誰にというわけではないが、感謝の気持ちを表したい。

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世界亜夜~魂の街で夜獣を狩れ! 一陽吉 @ninomae_youkich

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