追憶の夢4
今日も私は“彼女”に会うために昼休みテラスにきた
“彼女”は珍しく寝ていた
いつもは紅茶を飲んで私を待っているが、今はテラス端にあるテーブルに伏していた
私は息を呑んだ
あまりにも神秘的だった
出会った当初を思い出される
眠った“彼女”は人間味がなくなっていた
起こすのも憚れる
そんな“彼女”を見ていると、胸が高まる
(あぁやっぱり“彼女”は特別だ)
「ん〜」
“彼女”が目を覚ました
「大丈夫?」
「ん?あっ!」
“彼女”は慌てるように髪を整えた
「変じゃないかしら?」
そんな“彼女”が微笑ましい
「いや、そんなことないよ」
改めて実感する
私にとって“彼女”は特別だ
「ほら、昼休みは限らてるから早く食べましょ」
じっと見つめる私の視線が恥ずかしいのか、“彼女”はそう言った
「うん、それもそうね」
いつもどうり、特別な会話とかはないけれど、楽しいお昼を過ごした
「それにしても、寝てたなんて珍しいね」
何回も“彼女”とともにお昼をしてたが、寝ていたところを見たのは初めてだった
「……私身体が弱いから、そういうときもあるのよ」
“彼女”はなんともないかのように言った
でも、私はそれを聞いて後悔した
たしかに、“彼女”はそう言っていた
でも、“彼女”と過ごす昼休みがあまりにも日常的で、そういったことを忘れさせていた
“彼女”がそんな私のことを見つめて、少し悲しげに微笑んだ
(なんで貴女がそんな悲しげにこっちを見ているの?貴女の方が・・・)
透明エレジー 霧影一族の桃花(つきげ) @kirikage_tsukige
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