本作の特徴はなんといっても全編、読者への挑戦状形式で綴られるという点です。
それが論理構築もしっかりしているというのだから、ミステリーファンなら読まない手はありません！
本作は、事件が描写される『問題編』と、
解くべき謎が明確化される『推理編』、
そして物語の解決が描かれる『解決編』からなります。
ただ犯人を当てるだけでなく、
事件そのものに込められたメッセージ性まで気づくことができれば
きっと事件解決の爽快感はすさまじいことでしょう。
……かくいう私は、まだ真相にも自力でたどり着けておりませんが。
張り巡らされた伏線に、ロジックだけでは解けない人間模様。
無理のない解決と、綺麗にオチまでついてくる本作。
非常に読みやすい文体で書かれており、読者にロジックを追うだけでない、いくつもの楽しませる仕掛けが各所に仕込まれております。
ミステリーファンに限らず、ぜひおすすめしたい一作です。