詩
三鴨
部族
きみは別れのあいさつにぼくの尻をもんできた。
抱き合ったとききみの手のところにちょうどぼくの尻がとどくのだ。ぼくがきみの尻をひかえめにたたくと、きみも僕の尻をたたいた。きみの尻よりずっと大きな音がした。どこの部族のあいさつかと思ったけれど、なんだか表現が差別的だと思ったので、「ど」だけ言ったあと、首をひねった。
ぼくが言いたかったのは尻のあいさつが原始的で野蛮だということではなくて、とてもそのまんまなもので、そのそのまんまなことに、とてもびっくりしたのだ。そのそのまんまが、ほんとうにびっくりで、そのびっくりを、びっくりにびっくりするのを、ぼくはなんとかきみに伝えたかった。
詩 三鴨 @kousetu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます