かの、前衛的な作品を次々と送り出して来た奇才 シルヴァ・レイシオン氏 の妖艶にして美しく、恐ろしくも寓話的な掌編の数々。 元は【心霊カンパニア】という別作品の『覚書』という態で始められたこの迚も小さな短編物語。心当たるものもあれば、ないものもある。但し、どれも詩篇かと見紛うばかりに美しく悍ましい。実験的な物語も多い作者の、抒情的な残酷或いは耽美的な醜悪。そこはかとなく漂う幻想的な侘び寂びに瞑目する。 そして、仕掛けに気づいて瞠目する。