第8話 生き霊~ことのはじまり~
この話はわたしが実際に体験した話です。
すべては、恋人の後ろ姿を撮影したところから始まりました。
キッチンに立っている恋人のAを、ガラケーで撮影したところ、足元に人の顔が写っていました。
不思議なことに、撮影した直後には気が付かず、自宅で写真を見返している時に初めて気がつきました。
当時は怖いと言うより面白さが勝ちましたので、友達という友達すべてに写真を見せびらかしていました。
「心霊写真見せたっけ?」
「見せてもらったよ、この間。」
「そっか、ごめんごめん。」
「もう1回見たいから見せて。」
わたしが全く怖がっていなかったので、友達も面白がって写真を見ていました。
「あれ、これ?」
以前、この写真を見せたことがあった友達に再び写真を見せた時です。
「顔が増えてる。」
そんなわけ、と思いましたが、元々写っていた写真とは別の場所に、もう1つ顔がありました。
「全然気がつかなかった。」
「増えるなんて聞いたことがないね。」
微妙な空気が流れました。
消したほうがいいということになり、その場で写真は消去しました。
その日、恋人のAに会いました。
わたしはふざけて聞きました。
「ねえ、誰かに恨まれてない?」
するとAはいつもは見せない真剣な顔で「なんでそう思うの?」と聞き返してきました。
Aはいつもニコニコしており、真剣な顔は初めて見たので逆に驚いてしまいました。
「Aの後ろ姿を撮ったら、心霊写真が映ったんだ。」
Aは少し沈黙したあとに、元恋人の話をしてくれました。
Aはわたしと付き合う1年前、Bと付き合っていたそうです。
Bとの仲は円満でしたが、ある日突然Bから別れを告げられました。
「アメリカでやりたい仕事があるから。別れる。」
突然のことで話し合いもなく、一方的に別れを告げられたそうです。
そしてわたしと付き合ったわけですが、突然Bから連絡が来たそうです。
アメリカから帰ってきたから食事に行こうと誘われ、Aは友達として食事にいきました。
アメリカでの生活、近況、いろいろなことを話しているうち、Aはわたしとのことを話したそうです。
「実は結婚も考えている。」
その時、Bが突然バン!って大きな音をたてテーブルを叩いたそうです。
「お前はわたし(B)と結婚するんだろ!」
Aが驚いておろおろとしていると、Bは怒って帰っていったそうです。
「なにそれ、こわ……。」
それ移行会っておらず連絡も来ていないということで、とりあえずまた何かあれば教えてとううことで話は終わりました。
ここから、あの日々が始まりました。
夏なので、怖い話でもしましょうか。 御手洗 一貴 @toilet_ittaka
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