第100話 エピローグ

 あの騒動から月日は流れ、俺達は無事に高等部の卒業の日を迎えた。

 問題を起こしたエメラルド公爵は、その場にいた全ての者の聞き取り調査や、その後の屋敷の家宅捜査によって、その罪が明らかとなっていた。

 公爵家というだけあって、即座に取り潰しという事態にはならなかったが、公爵家としての力は大きく削がれ、今では名ばかりの公爵に成り下がっていた。

 エメラルド公爵が失った分の権力は、ジュエル王家、ガーネット公爵、ダイヤモンド公爵のそれぞれで分けることになった。

 ひとまずは三つ巴状態になっているという体で落ち着いているが、冷静に見ると、ガーネット公爵が最も力を持っていた。しかし、ガーネット公爵家は敵対するものは許さないが、我からどこかにケンカを売るような家柄ではなかったため、結果的にジュエル王国は今後も引き続き栄えていくことになる。

「あっという間でしたわね。でも、この卒業式が終われば……」

「うん。この卒業式が終われば、ようやく俺達の結婚式だよ。準備はすでに整っているし、あとは速やかに式を行うだけだね」

 俺は隣で微笑むティアナに笑いかけた。

「そうね。あたし達の間に子供を作るのが楽しみだわ」

「シリウスとの子供は絶対に可愛い」

 フェオもエクスもやる気満々のようである。ピーちゃんの力も借りて、子作りの方法論を確立したので、恐らく大丈夫なはずだ。もし成功すれば、史上初となるので、それはそれで色々とうるさそうなことになりそうだが、それはそれで、そのときに考えよう。

「私もシリウス様との子供が楽しみですわ。三人くらいは欲しいですわね」

「あたしも!三人くらい欲しい!」

「シリウス、私も……」

 う、最低でも九人も子供を作るのか。

 なんだ、できないのかって?できらあ!


おわり

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい! えながゆうき @bottyan_1129

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ