GW後半戦記念と言うことで、
いつもなら限定公開している小話を今回も載せております。
いつも読んで下さり、ありがとうございます!
少しでも楽しんでいただければと思います!
毎日増え続けるPVを見ながら、ニマニマしております。
本当にありがとうございます!
連休最終日は全国的に天気が悪くなるようですが、
最後まで楽しんでいきたいと思います。
私も実家に帰ったり、ちょっと遠出して
買い物に行ったりしています。
そしてもちろん、改稿作業も地道にがんばっております。
しっかり改稿して、素晴らしい作品に仕上げておりますので、
もうしばらくお待ちいただければと思います。
それでは良きGWを。
**** ここから小話 ****
949話くらいの話――護衛につくライオネル視点
明日から私はユリウス様たちと一緒に西へと向かうことになる。
西では異常が続いているという話は聞いていた。最初はハイネ辺境伯家とは関係ない、と思っていた。だが、そういうわけにはいかなくなってしまった。
ユリウス様が国王陛下の命令で西へと向かうことになる。私の任務はこの命に代えてでも、ユリウス様を無事にここへと帰らせることである。
「ライオネル、今回もまたよろしくね」
「お任せ下さい。人数は最小限ですが、精鋭を集めておりますのでご安心を」
「ユリウス様と共に西へ行けて、光栄です!」
エバンスがそう言ってから敬礼をする。彼なら問題ない。ハイネ辺境伯家の騎士団の中でも、特に優秀な成績を収めているからな。
もちろん他の騎士たちも素晴らしい能力を持っている。場合によっては私よりも役に立つだろう。
これなら問題なし。必ずやユリウス様たちを無事に連れて帰ることができるだろう。
そう思っていたのだが。
「今から持って行く魔法薬について説明するね。かなり貴重な魔法薬になるから、あまり口外しないようにしてもらえると助かるかな」
「それはもちろんですが……」
なぜだろうか。なんだか嫌な予感がしてきたぞ。この背中を流れる汗は、間違いなく、気持ちのいい汗ではない。一体、どんな魔法薬をユリウス様は作ったのだ?
「ユリウス様がお作りになった貴重な魔法薬か」
「どんな魔法薬なのか気になるな」
お前たち、何をそんなにのんきなことを言っているのだ。ユリウス様が「かなり貴重」だと言ったのだぞ? とんでもない魔法薬が出てくるに決まっている。
お館様からは何も聞いていないぞ。まさか、お館様にも内緒なのか? ますます嫌な予感がしてきたぞ。
「えっと、まずは完全回復薬だね」
「完全回復薬ですと!?」
ちょっと待った! 一体、ユリウス様は何を作っておられるのだ。まさか、マーガレット様からいただいた「魔法薬の本」の中に、その作り方が書かれていたのか?
そんなバカな。そんな魔法薬があるのなら、マーガレット様が作っているはずだぞ。そしてお館様もそのことについて何か知っているはず。
そして次に出てきたのは「復活薬」と呼ばれる魔法薬だった。
この頃には浮かれていた騎士たちも、とんでもないことになっていることに気がついたようだ。今はシンと静まり返っている。
「と言うわけなんだ。みんなもしっかりと使い方と、使い所を覚えておいてほしい」
「……復活薬ですか。またとんでもない物を作りましたな。それも、ファビエンヌ様も作れるようになっているとは。ますますお二人を失うわけにはいきませんな」
「ライオネル、さっきも話したけど、復活薬が使える時間には限界があるからね? そのときは、ためらうことなく使うんだ」
到底納得できる提案ではないが、復活薬が使える時間に限りがあるのであるならば仕方がないか。ここは認めるしかないだろう。だがしかし。
「分かりました。ですが、ユリウス様とファビエンヌ様に優先して使うことだけは、了承していただければと思います」
これだけは譲れない。なんとしてでもその許可をもらわなければ。
「分かった。了承する」
ふう、やれやれですな。これで言質は取りましたぞ。
マーガレット様、あなたの孫はとんでもない魔法薬師へと成長しておりますぞ。この先が楽しみなような、そうでもないような。
やっぱり楽しみの方が強そうだ。