森の声に耳を傾ける彼女に、ぼくの鼓動は届くのだろうか?

府中市にある小さな山、浅間山。
「浅間」と書いて「センゲン」と読む。
そんな苗字を持つ主人公、浅間穂高。
ガイドとして幼馴染、林咲耶を浅間山に案内する。

——もしかして樹の声が、林には聴こえてるの?
それはかつて、浅間が林にかけた言葉。
紐解かれる記憶。そして二人の関係は?
美しい文章で綴られる林を巡る物語に、思わず息を潜めてしまう素敵な作品だった。