エピローグ

「新郎新婦から両家の親御様に花束の贈呈があります。お父様、お母様前へお越し下さい」 

 BGMと共に友紀と龍也が花束を抱えて近付いてきた。

「お義父さん、お義母さん、どうぞ末永くよろしくお願いします」

 そう言った友紀の目からは大粒の涙がこぼれていた。

「お義母さん、友紀さんを必ず幸せにします」

 奈津は龍也からピンクの花束を受け取った。「これは、お義父さんに…」

 そう言って一輪の白い薔薇を奈津に手渡した。



 圭太さん

 

 友紀は本日、新しい人生をスタートさせました。私は、また一人になってしまいました。寂しくないと言ったら嘘になりますが、圭太さんを失った時とは全く違います。何故なら、これから先も圭太さんの魂が受け継がれて行く気がしているからです。そして、その横に私もいつもいてるでしょ。圭太さんに出会えて、そして友紀という宝物を授かって、私を母にしてくれて、ありがとうございます。

 

 私は世界一の幸せ者です

 

 何年か後に圭太さんのいる世界へ私が行った時、必ず、私を見つけてくださいね。それ迄、残された人生を無駄にすることなく生きて行きます。


                          進藤 奈津          

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『奈津、しあわせですか?』 夏華 @natsuka0819

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る