概要
リストカットの痕。柔らかそうな肢体。彼女は私に全てを曝け出してくれた。
場所は吉祥寺駅近くの、ラブホテル。
サヤの左腕には、無数の切り傷の痕があった。癖なのか、過去を語るときに度々その傷痕を指でなぞっている。桃色の線状に膨らんだ傷痕は、サヤの白く美しい肌を蝕むようだった。リストカットを経験していることも聞いていたから、さっき服を脱いだ彼女の肌を見てもさほど動揺せずに済んだ。
角川武蔵野文学賞、応募作品です。
サヤの左腕には、無数の切り傷の痕があった。癖なのか、過去を語るときに度々その傷痕を指でなぞっている。桃色の線状に膨らんだ傷痕は、サヤの白く美しい肌を蝕むようだった。リストカットを経験していることも聞いていたから、さっき服を脱いだ彼女の肌を見てもさほど動揺せずに済んだ。
角川武蔵野文学賞、応募作品です。
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