あいも変わらずの、キレッキレッの、小気味良い文体。そして、読めば読む程、暗い海底に引き込まれる、無間地獄のようなこの話。ここにおいて、「カクヨムコン10」の、もの凄いライバルの出現を確信した。既に、老い先の短いこのジジイが、まともに勝負して、勝てる筈も無く……。しかし、ジジイのライバル心に、火を付ける、ホラーの傑作小説である事は間違いが無い!!!
涼やかな風鈴の音が悪夢の響きに変わると、またひとつ清涼な音が響く。おもしろかったです。導入からラストまで流れるように話が広がって、すとんときれいにオチていました。夏は涼やかな風鈴の音を楽しむ季節であると同時に怪談の季節でもありますね。