[ 理不尽な7月7日 ]


 むかしむかし、姫に恋した男がいました。



 男は、何十頭もの牛を育てる、大層な働き者でした。

 姫は、それは美しい絹を織る、がんばり屋さんでした。


 男は、仕事のかたわら、何日も姫のもとに通いました。

 そして姫も、いつしか、男に恋していました。


 そして二人は、姫の父のもとに向かいました。


 男は、自分が育てた何十頭もの牛を引き連れて。

 姫は、自分が織ったいくつもの反物を手にして。


 二人の願いを、父は聞き届けました。


 二人は、一緒に住むことになりました。




 二人は、とても嬉しくて、いつも一緒に過ごしました。


 男は、姫と離れたくないので、牛の世話をやめてしまいました。

 姫は、男と一緒に話したいので、機織りをやめてしまいました。


 そんな二人に、姫の父は怒ります。


 二人が一緒にいるから仕事をしないのだと、

 二人が会わないよう、大きな川の両岸に別れて住まわせました。


 でもかわいそうだから、1年のうちの今日だけは、

 二人は会ってもいいよと言いました。




 これが七夕たなばたのお話。




 だからユウ、

 あなたも、恋人なゲーム機と一緒だと勉強しないから、

 別れて住んでもらうことにするね。


 でもかわいそうだから、1年のうちの今日だけは、

 一緒にいてもいいことにしてあげる。



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Tanabata Collection 七臣 @naomii

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