その9 時効であろう話その2
郷に入っては郷に従え。日本人とはかくあるべきなのでしょう。自分の心が潰れない限りは。
さて前回の続き。
かくして私には見えない敵が現れた。いや別に興味もないので敵でもない。あるいは勝手に彼女らが仮想敵に仕上げたのかもしれないが、まあどうでも良かったのだ。向こうは夢女子とやらで、こっちは腐女子。世界線が違う。分かり合う必要もなく住み分けていれば良い話なのだ。
しかし女の内輪とは怖いもので、逐次いろんな報告がなされる。まさに鍵垢ならではの光景である。私はこの時点で離脱するべきだったのだが、浅はかにもちょっと楽しんでいた。大いに反省すべき点である。二度と同じ轍を踏んでたまるか。
そんな中、仲良くしていた子が一人DMを送ってきた。
「最近タイムライン見てるのがつらい…」
そりゃそうだ。同担拒否じゃないにしろ、同担の話されて良い気はしないよな。人間の話じゃなくて、こちとらキャラや作品について喋りたいんだよ。私も我に返った。そう、ここも異質になってしまったのだ。
とりあえず、別途作成していたアカウントだったので、もともとのアカウントに戻ってそこは削除する事にした。
ぶっちゃけそこも悲劇の始まりで、いやはや、驚いたことに地獄は加速する。笑ってしまうな。私がメンタルの強い女で本当に良かった。
その間に、良く分からん見えないリプ(鍵垢リプ)、見えない引リツ、見えないいいね、沢山もたらされた。試しに吊りっぽいツイを入れればもれなく反応する。これはあれだ、見張られてるなって感じがした。標的が私かはたまた仲良くしていた別の子なのかは永遠の闇に閉ざされたが、世の中には本当に監視をする人間がいるのだと知った。思えばあれは内側からの犯行かもしれないわけで、女とはかくも信用ならんものだなと思い知らされる出来事である。笑う。いや笑えん。
某カフェではデカい声で煽られるし、何なんだろうか。女は怖いな。しかしあの時の面白発言、私の中で殿堂入りしてるので永遠に語り継がせていただきますよ。
ここから先も細々とめんどくさい事案は続く。
この頃にはさしゅーを迎えて死を待つばかりのコンテンツと化していたこともあり、人口は緩やかに減っていた。つまり、ガチでやっている人にとってはグッズ交換の世界も狭くなっていく地獄を意味していたわけだ。本当にものとカネが絡むから、みんな必死だ。こればっかりはしょうがないと思う。そりゃ心もささくれだつわな。
実はその頃うっすらと界隈自体が荒れていたのも起因しているかもしれないが、グッズの特典を貰えないほど金を入れてない人は作品のこと、あるいはキャラのことを本当に愛してないんだ、みたいな事案が起きていた。こわすぎ。なんだろうな、くじは運だろうが。結局同担が一人減れば自分の取り分が増えるという思考だったんだろうか。謎である。
そうやってみんなだんだん心をすり減らしていき、友人の一人なんかはつらすぎて毎日泣いてた。可哀想すぎるな。挙句、当てた人間が「私は選ばれた!」みたいになるんだから尚更だ。空気が空気だけにそういうのは良くないんじゃないのって大人気なく私も苦言を呈してしまった。反省だね。
全体的にボロボロで、私も界隈の空気が合わなくなっていった。知らん敵はいるし、女の戦いは面倒くさいことばかりだし。
色んなことがありすぎて正直細部は書ききれない。それ私責められること? っていうのも結構ある。私も悪かったことはたくさんあるけど、一方的に言われるのは謎ではある。まあ円満解決したと私は思ってる。違うかな。まあいいか。恨んでるなら今でも好きなだけ恨んでおいてくれ。私は今そこにはいないから。
かくして、気まぐれに別ゲーを始めていて本当に良かったと思う。今の居場所は割と気楽でいいです。人が多いってこんなに素晴らしいんだなぁと痛感する。ありがとう、世界。
それと、これら経験のおかげて少なくとも身なりだけは小綺麗にしようとは常に心がけている。敵意を受けるのは嫌だが、私が敵意を向けてるように見えたとき(そんなことは意図してしないけども)、少なからず汚いオタクとして存在するのは私のプライドが許さないわけだ。私は推しを背負っているので。推しのためにも少しくらいは見栄えする心は捨てたくはない。ただのオタクではあるけれど、ひとたび現地に足を突っ込んだらそこはもはや武闘会なのだ。うるさいブスとか言うな。泣いちゃうだろ。
ソシャゲで腐女子へ帰ってきた話 翡翠しおん @jade_sion
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