最近いじわるな秋人くん
いじわるがたたったのか、雪の女王に連れ去られてしまいます。
お友達を助けに美冬ちゃんは立ち上がります。
お供はもちろん
ティート・チェーザレ・アレクサンドル・コリオラヌス・ヴィットーリオ=マクシミリアン・リチャード・ルイ・フィリップ八世です(`・㉨・´)
シロクマのぬいぐるみなのに、こんな長ったらしい名前。
失礼、立派すぎる名前でした。
通称テト。
美冬ちゃん、雪の積もった外へ飛び出します。
準備は整えましたけれど。
雪の女王のいるお城へ向けて、雪山へはいってゆくことに。
困難を乗り越え、テトは役に立つこともなく
美雪ちゃんの暴走を止めることもかなわず、
やってきた雪の女王のお城で待つものとは。どどーん!
かわゆいお話をお楽しみあれ。
友達の秋くんが、雪の女王様に連れていかれちゃった。
主人公はそんな秋くんを助けるため、旅立つことを決めた女の子の美冬ちゃん……ではなく、その美冬ちゃんのお気に入りのシロクマのぬいぐるみ、テトくんです。
女の子が一人で行くなんて、危なすぎる。美冬ちゃんを止めたいテトですけど、動くことも喋ることもできないので、どうすることもできません。ぬいぐるみの悲しい現実です。
結局美冬ちゃんは、ぬいぐるみのテトを連れて旅立ってしまうのですが、はたして二人を待っているものとは?
タオルのように窓についた結露をふかされたり、力いっぱいブンブンと振り回されるても、声をあげることができないテト。けどそのかわり字の文では、可愛らしく鋭いツッコミを繰り返してくれます。
そんなテトの心の叫びがどこかおかしくて、癖になってしまうのですよ。
精神的にも物理的にも、美冬ちゃんに振り回されるテト。本人は大真面目なのでしょうけど、ごめんなさい。
可愛くて終始笑いっぱなしでした。
皆さん、どうかこのシロクマのぬいぐるみのテトを、応援してあげてください。
同じプロットで別々の作者さんが物語を書くという企画「筆致は物語を超えるか」の参加作品なのですが、例え同じプロットでも、書き手と発想しだいで物語は大きく形を変えるもの。中でも本作は、相当な変わり種。
なにしろ元々のプロットだけでは現代ドラマか恋愛かといった内容だったのに、女の子が雪の女王から友達の男の子を助けるため、お気に入りのクマのぬいぐるみと一緒に冒険するという、とってもキュートなファンタジーになったのですから。
このぬいぐるみのクマ、テトというのがとっても可愛いのです。危ないからと、ご主人の美冬ちゃんを止めようとするのですが、美冬ちゃんはちっともやめようとしてくれません。そこで自分だけ逃げたりしないで、むしろボクが守らなきゃと奮闘する姿に、感動&ほっこりが止まりません。
美冬ちゃんを守るため、がんばれテト。例え中身の綿がこぼれそうになっても!