本作品はミリタリーモノである。
それもヤワなレベルではない。相当に濃厚である。
文字から場面を連想し、理解しながら嬉々としてページをめくることが出来る人種は軍事マニア、俗にいうミリオタだろう。
正直、読み手を選ぶ作品である。
が、これが良い。
評価欲しさに流行りや読者に媚びる事無く、掲げたコンセプトを見事に貫いている姿勢は称賛に値する。
コンセプト、とはレビュータイトルの通り「ミリオタが泣いて喜ぶ小説書きます」であり、これは作者がTwitterでも大々的に宣言している。
そう、これは「そのテ」の人間向けに作られた作品である。
資本主義・社会主義・共産主義といった世界を分け隔てる「陣営」から、レミントンM40A1狙撃ライフル、9mmパラベラム、といった銃火器や弾薬、サーマル・ナイトビジョンなどの特殊光学機器、HALO降下などの戦術行動について幅広い知識の要求を満たした者のみが真に楽しめる作品である。
もし、あなたがトム・クランシーが好きなら、是非手に取って欲しい。