第4話 料理ができない or 共同作業
「できないんだな、分かった分かった」
「できるわ!」
「またまた奥さん、意地張っちゃってあらやだ」
「意地張ってないし~べーだ」
「なら作ってみろよ」
「バッチ来い!」
「スマホは没収な」
「やっぱ無理」
誰だこんな奴に一人暮らしさせたのは、親の顔が見てみたい。
「ふーん、料理できないんだーw」
「笑わないでよ!ほ、ほら、カイは作れるの?」
「ああ勿論、北上とは違って作れますよーだ、プークスクス」
高校で一人暮らしする前提が料理をすることだったので、2年間勉強より精を出して取り組んでいて、そこら辺のコンビニ弁当よりはおいしく作れる自信がある。
「カイには勉強面では絶対に負けないもん!」
「わーさすががくねんしゅせきーすごーいぱちぱち」
北上は中学生のころ成績が学年トップで進学校への進学も視野に入れていたらしいのだが、前も言った通り近場の進学校だとまたもや中学生の時からの熱血なファンに会ったりする危険性も考え、比較的距離が離れているここにしたらしい。
「んで、どうするよ」
「どうするって、何を?」
「夕食だよ、夕食。俺が作ってやらんこともないが、どうしますか、北上さん」
「上から目線でいちいちウザいわね、でも私的にも作ってくれるに越したことはないけど……」
「お、あっさりOKした、変な意地でも張るかと思ったわ」
「私をなんだと思ってるの?」
「思春期の男子中学生」
「どこも似てないじゃん」
「あーそんじゃ、意地っ張りの男子中学生」
「中学生から離れろ!あと私男子じゃないんだけど?」
「これでも違うのか」
「そろそろいい加減にしないと超長い自己紹介挟むよ?」
「尺的にやめてください」
「わかればよろしい」
いやマジでこいつと会話するとマシンガントークになるんだけど誰か助けて。
「そんじゃ飯作るか、材料は?」
「ない」
「なんだって?もう一回言ってみ?」
「ないよ材料なんて」
「はぁ、そんじゃうち来い」
「な、なにこんな夕方に、まさか家に連れ込んで乱暴するの?エr痛い痛い」
マジでしないんで、いや本当に!
「だから頬っぺた引っ張んないでよ!」
「ごめんごめん、ハムスター感覚で引っ張ったわ」
「あんなネズミと一緒にしないで」
「おい、今の発言で日本ハムスター協会に訴えられても知らんからな?」
北上、いとワロタ
そこからなんやかんやあり、無事?家に着いた。
「お邪魔しまーす」
「お邪魔されまーす」
「カイの家って綺麗だよね」
「お前の家と違ってな」
「うるさいやい!」
自分は小さいころから一人暮らしにあこがれを持っていて、
受験期なんかは息抜きに家に置く家具とか調べたりしていたし、自分の部屋がなかったもんだから家の掃除は自分でしていたりしたから、綺麗さには自信がある。
「q何食べたい」
「シェフのおすすめで」
「俺のおすすめはトマトのスープですが、食べるか?」
「わざわざ嫌いなトマト出してくるとは、宣戦布告か?」
「違います、すいませんふざけましたあと顔近いですよ」
マジでキスする5秒前くらいの近さだったぞ。
「わぁ、アブナイアブナイ」
「危ないっていうか、ほぼアウトだった気が」
北上の顔がほのかに赤くなったのは気のせいだろう。
「取り敢えずもう時間もないし、簡単なオムライスでいいな」
「うん!」
「そんじゃ作るかぁ、卵割ってくれ」
「ワタシタマゴワレナイ」
卵が割れない?高1にもなって?しかも一人暮らしだよな?
「はぁ、オムライスぐらいは作り方教えてあげるから見ておくんだぞ?」
「うん」
「まず卵を割ります」
「うん」
「溶きます」
「うん」
「相槌へたくそか」
「うん」
「うんじゃねぇよ、いつからお前はうんしか言わない人工知能になったんだよ」
「えーと、さっき?」
「さっき何があったし」
そっから時間が経つこと約15分
「はい完成」
「美味しそー、いただきま~す」
「いただかれます」
食欲旺盛だな、よくコンビニだけでもってたな。
「ごちそうさまでした!」
「早えよ!まだ自分半分くらいしか食べ終わってないのに何で食べ終わってんだよ、よく噛んで食べないと太るぞ」
「私太らない体質だもーん」
うらやましいったらありゃしない。何でこんなに不摂生な生活送ってる癖にその体系を維持できるのだろう?
「ねぇねぇ」
「うん?」
「同居しない?」
「ぶっ」
それは突然だった。
天才orアホな可愛い同級生は、俺にだけ甘えてくる。 Coffee & Spoon @ika31
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