硝子の瞳で0観る(仮名)
和風わに
第1話 プロローグ
ある日の朝のこと、
それは何の前触れもなく突然に起こった。
神さまが怒ったんだ。
自分の愛した大切な星が
別の何か、いわゆる星の
『ニンゲン』によって壊されていくのを
ずっと何千年も見てきたんだ、
そんなの、いくら神さまでも
我慢ならないだろう?
だから神さまはこの「星」を
作り直す事にしたんだ。
新しい星が生まれた。
いや、生まれたとは少し違うか‥‥‥
まぁ細かい事はいいんだ、
そんな小さな事をいちいち気にしていたら
夜が明けてしまうからね。
その星はボールの様な丸い形から円盤の形…
そう
丁度、この円いお皿の様な形へと
変えられてしまったんだ。
なんでって? それは僕にも分からない
僕は神さまじゃ、無いんだから。
……そんな不満そうな顔しないでおくれ
流石の僕にだって、分からないことはある。
‥‥‥ただ、
きっと神さまは大切な自分の星を
『ニンゲン』に任せていいのか、って事を
試そうとしているのだ思う。
その証拠に今、君と僕のいるこの「星」は
前の「星」で造り上げられてきた
奇跡にも等しい自然の数々と、
『ニンゲン』が歴史のなかで作ってきたモノの中で
神さまがいくつか選択したものが
そのままの形で残っていて、
それらを無理矢理に、強引に、
1つのお皿にしたように出来ている、と
伝えられているからね。
『ニンゲン』にこの2つを
見比べてさせ、感じてさせ、
今一度考えさせる為に‥‥
だからそれぞれの本来の有るべき場所が
ズレていたりするんだ。
面白いだろ?
‥‥‥‥その顔はよく分かっていないな?
でも大丈夫さ、
これから君のその瞳で実際に観て
神さまが何をしたかったのか、
『ニンゲン』に何を伝えたかったのか、
感じ取っていけばいい。
しまった もうこんな時間か‥‥
そろそろ寝ないと明日に響いてしまうな。
でも君この星の事を聞きたいなんて、
珍しいじゃないか。
いつもなら本の中の知識だけで
解決してしまうのに。
……なに? 外に出てみたい‥‥?
ふむ、そうか‥‥‥‥そろそろ‥‥
‥‥‥‥よし じゃあ明日の朝、出発しよう。
それまでに旅と心の準備をしておいてくれ。
長い旅になるだろうから忘れ物の無いよう
しっかり確認しておくんだ。
じゃあ僕も自分の準備をしに自室に戻るよ。
おやすみ またあした
硝子の瞳で0観る(仮名) 和風わに @Taiyo3824
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