各作品感想
「変身願望」ながる さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886416265
正直この手の話はやりつくされていてオチに至るまで想像ができ、新鮮味はないのですが、少女のみずみずしい感情が等身大で描かれていたことには好感が持てました。
「雷鳴の中の…群れ」森緒 源さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890436206
怖いというよりキモい話ですね。湿った空気感の描写が良かったです。
二話に分けず一話にまとめた方がすっきりしていていいと思いましたが、最後まで正体を引っ張りたかったのかなという作者さんの意図も感じる。ただ結局この話のキモさというのは個人の感覚であるうえ、こちらは恐怖譚を期待して読んでいるわけなので、ここまで引っ張るならより鮮烈なオチが欲しかったところです。
「ある一途な女の独白」雨月さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893442031
正直ホラーとしてはどうかな?という感じはあるんですが、やったことは別としてタイトル通り本当に語り手の女は一途なんですよね。
一途な分目的にも真っすぐで一切躊躇のない姿は立派とさえ感じる。
途中から彼女を応援してしまったりして。彼女が最後まで幸せそうで良かったです。
「サイケデリック」神澤 直子さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898141963
これはすごい。丁寧に練り上げられた悪夢のような世界観です。
芋虫を単なるキモいものとして扱うのではなく、こちらも狂った世界観に巻き込んでなぜか魅力的なものに感じさせる手腕は素晴らしいです。
どこまでが真実なのか、あるいは全て幻覚なのか境界が不明瞭なのも不気味なのに、何故か読後感は良く何度か読み返したい作品です。
……麻薬やったことある?
「奇譚夜話五短冊」木船田 ヒロマルさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054903046166
これは実話と言うことでいいんですよね?
派手なことが起こらないのが非常にリアルで読んだ後不快な気持ちになるまさに実話怪談として素晴らしい出来です。飾り気のない筆致も良かった。
一話目が一番怖いのでこれが最後にあったらもっとよかった。
「ねこのはなし」 こむらさきさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054903217217
怖いし気持ち悪いし不快だし救いがないしの四拍子、好みでございます。
少し謎解き要素もあって面白いんですが、謎を解くうえで重要な登場人物の語りが異常な土地に住む人間だけあって自然に狂っている。普通の人間だと思っている人と根本的に価値観が違うのを明示される体験、非常に恐ろしいですよね。
I城県、一体どこなんだ。
「七塚の祟り」 金糸雀さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898416753
これも文体が簡素で派手なことが起こらないぶん非常にリアルなタイプの実話怪談で、読んだ後とてもモヤモヤさせられます。全く解決していないけれど今後絶対何か悪いことが起こることが予見されるので……。
本編とは関係ないんですけどなんで主人公はこんなに(医療専門職でもないのに)病院で働くことにこだわるんですかね。その妄執もちょっと怖かったです。
「秋桜の家」 ジュージさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894845371
一言でいうならダウンスパイラルです。若くて無垢でバカな女の子がそれゆえにどんどん悪い方へ行ってしまってついには。
不幸描写が上手く、さらに無知な女の子だったら確かにそう行動するかもなという現実味もあり、感情移入して読んでしまうので読んでる最中かなり暗い気持ちに。
最後に救いはあるんですがその救いと言うのも……。
勿論恐怖要素もしっかりあって、かなり満足度の高い物語でした。異形の描写がうまい。
「足音」 春米 けだまさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904049506
文体が真に迫っていて、主人公に直接語り掛けられているような気持ちになりました。
怖いの嫌なんです!って何度も繰り返すなお前が怖いわ!!!!
つまり、音声で聞きたい感じです。怪談師が語り掛けてくる音声まで脳内再生できます。面白かった。
「本当に起きた除霊の話!①~消える~」 海野しぃる さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054903314222
霊能力除霊バトルはホラーではない、私の中では、ただしそれが完全解決せず、霊能者も全然信用できないやつで、怪異も強かったら話は別だ。
そういう話です。本当にこの霊能者のキャラクターが最低なんですよね。除霊する癖に全然こっち側の住人じゃない。主人公も絶妙に同情心が湧かないタイプなのもこの話を読みやすくしていたと思います。しかけもかなり工夫してある。
ホラーというよりストーリーとしてかなり面白かった。
「あたま」 あたまゆるふわ系オムライス脳漿さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054902899167
悪夢ですね。この作品すごく好きです。
こういうわけのわからない散文的な何かに吐き気を催すほどのホラーエッセンスが詰め込まれている。
こういう系統の作品は非常に作者の手腕にかかっていて、わざとらしいと一気に醒めてどうでもよくなってしまう。これはどうかというと完全に入り込んでしまいました。うまい。
「G県E市A町」 @dekai3
https://kakuyomu.jp/works/1177354054903240145
これもでかいさんの普段の文体とは違い、かなり実話怪談に適したものでした。リアルです。
こういういわくつきの土地の話、その土地が存在する限り終わらないので非常に恐ろしいですね。
「赤ちゃん通路」 青月クロさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904749549
若い女性なら誰でも持っていると言っても過言ではない望まない妊娠の恐怖。そこにフォーカスしたのは良かったと思います。中編の内臓が引きつるような攻撃描写も良かったです。
ただ、主人公がどうして何も損をせず怪異から逃れられたのか、というところで少し恐怖度は減ってしまいましたがまあ説明しすぎても陳腐になるのでバランスとしてちょうど良いかもしれない。面白かったです。
「首か手首」 千石京二さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904811220
こちらは打って変わって体験者全損スタイル。わかりやすく軽い気持ちで禁忌を犯した者たちが案の定ひどい目に合う。
一回怪異がはじまったらもうシステムに沿って進行していくだけなんですね。
「体験談」 @Pz5さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054905518858
ゴースト系とは毛色の違う作品です。Pzさんが何を想定して書いたのかは分かりませんが私はルワンダ内戦のときにフツが流していたラジオを思い出しました。
今でも世界のどこかにこういう国普通にあるんでしょうね。けっこうおぞましい作品です(褒めてます)
「二十年前の夏のことです」 糸川まるさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054905521755
幼少期の体験をこちらも追体験できてしまうくらい真に迫っていますね。
これ体験したらトラウマになるわ。
「ある家のできごと」 @styuinaさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054903069586
出たな北海道。
styuinaさんの作品は童話のような文体なのにものすごく圧があるんですよね。
終わり方も非常に突き放した感じで、突き放された読者は読後もモヤモヤと悩むことになります。
「墓暴き」 神澤直子さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054903649373
なにも悪いことはしていない(と思っている)のに理不尽に怖い目に遭う、これもまたホラーの醍醐味であります。
けどこれはあまりにも意地が悪いと言うか恐ろしすぎる。霊能者が出てきて、全く歯が立たなければそれはそれでいいのに、微妙に解決できないという終わりも最悪。本当に怖いですね。
「ファックと鳴く変なセミ」 大澤めぐみさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054907014699
途中まではクスリと笑わせる展開で楽しく読んでいたらなにその結末……という話でした。急にズドンと落とす手腕はお見事です。
主人公が終始ぼんやり、思いついたままに行動してるのも怖い。
小池真理子の「墓地を見おろす家」を思い出しました。
「周王奇譚」 武州人也さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904366468
美少年がない?!と思ったのが第一印象です。
毎度中国史への造詣の深さには感嘆させられますが、正直これホラーとしてはどうなのか。聊斎志異もこれホラーなの?みたいな話は沢山入っているのでいいのかな。
怖くはありませんでしたが勉強になりました。
「波長が合う」 狼子 由さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054908124049
霊感体質でもないのに幽霊が見えてしまって、そのことを相談すると「あなたとソレ(幽霊)の波長が合ってしまったんだね」と言われる。そんな話は怪談あるあるですが、今回は波長が合うっていう事態が幽霊に適応されているわけではなくて面白かったです。最後まで読むともしかして私も波長が合ってしまうのか?となんともいえない不気味な気持ちになる。
「ドッペルゲンガーな彼女」 大澤めぐみさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054909976639
「自分の」ドッペルゲンガーを見ると死ぬ、みたいな定説があると思うんですけど、これはその発展形にとどまらず、新説って感じですね。
だいたいの場合ホラーでは主人公(被害者)・怪異(加害者)・第三者(霊媒師)っていう役割分担で話が進んでいくんですけど、この話は明確な区分がなくてそこも面白かったです。
「してへんよ」 大澤めぐみさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054910238752
サイコゴースト(霊能力を持った人間がこの世を去って幽霊となった状態のこと。一般的な霊とはチカラがけた違い)の話なんですけど、明確に悪霊化はしないんですね。
普通に生きているときと同じように、あるいはよりつつましく暮らしている。
普通過ぎて生きているときと区別がつかないからこそ生きていないとできないことが当たり前にできないことに周囲が苛ついたりして、ちょっとこの辺はコミカルで笑えますね。
本当に普通過ぎるので起こっていることがより怖く感じます。
「ステーション・シネマ」 あきかんさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054903579183
けっこう早い段階(二話目)で仕掛けに気付くのでゾッとするというのとは違うかもしれませんが、洒落怖とかSNSのトレンドとかをうまく織り交ぜてあって楽しく読めました。ぽぽぽ。
「香水」 こむらさきさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054910432546
こむらさきさんの話はだいたい登場人物の誰かの倫理観が破綻していて、ストーリーよりその破綻っぷりが怖かったりして。
思っていたオチとは違う方向にひとひねりしてあるので満足感がありました。
「プログラマー必見! 充実した日々を送るためのライフハック」 大澤めぐみさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054910789234
美少女の描写がめちゃくちゃいいですね。
読み始めたときは錦絵から出てきた女性を嫁にする民話によくあるアレかと思ってたんですけど違いました。
出てくる人の疲れ具合もリアルで良かったです。
「入ってきた」 けだまさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904275918
あー、なんか人生で一人は見たことあるよねこういう完全にスピにハマっちゃってる人……というやれやれな気持ちで読んでいると現実との奇妙な符号が……。
けだまさんの作品やっぱり話のうまい人に語ってもらって音声で聞きたいですよね。怪談会とか向きだと思います。
「うろんな穴」 かくぞうさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054910980373
異常な人間の自分語りってどうしてこうも面白いのか。
本当に語り手クズなので、結末も想定の範囲内ではあるんですけど、そこに至ってなお本人が現実を直視できていないところに恐怖がありますね。
「死んだ人の家にあるものを持ち帰るのは良くないという話」 こむらさきさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054910935489
もう本当にクズの大洪水って感じですごく不愉快ですね(褒めてます)。実際に会ったことはないけれど、暴力を振るう、振るわれるでしか人間関係構築できない人けっこういそうですね。女の子の足りない口調とかも上手くて好みです。
勿論ホラー展開も面白くて、怪異って言うのは人間の都合でどうにかなるものじゃないので、結局彼女にハッピーエンドはやってこないと言う。
こむらさきさんは一作増えるたびに小説の完成度が上がっていくような気がする。
「たべもの」 千石京二さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054911050812
これ本当にものすごい小説だと思います。グロテスクなんですけど、根底には愛と哀しみの川が流れています。最初は子供への深い愛から始まったことなのに、夫婦仲も上手くいっていたのに、仕組みも解決も分からないまま破滅的な終末を迎えてしまう。
なんか私が評価していいものかどうか迷ってしまう。とても面白いです。
「過去ログ倉庫に保存されています」 味付きゾンビさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898381413
怪奇とグロの濁流の中でこういうミステリー形式のものが挟まれるとなんだか楽しい。
勿論恐怖度も高い仕上がりです。読み終わると必ず冒頭に戻らざるを得ない仕組み。まんまと作者の術中に嵌ったなと思いました。面白かったです。
「蟲毒」 大澤めぐみさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054911650450
大澤さんのホラーを何本も読ませていただいて思うことは、主人公が怪異に対してめちゃくちゃドライなんですよね。他の怪異譚の主人公と違って大騒ぎしない。今回だって一応お寺さんに頼ってはいるんですけどそれだけなんですね。
洒落にならない甚大な被害が出ているんですけど、距離を置けば大丈夫だと思っているのかなんなのか、そういうスタンスなんですよね。そこがあまりほかの作品にはない魅力だと思いました。
「おとなしのはなし」 味付きゾンビさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054911509227
田舎の怖い慣習ものですね。
mixiという今やほぼ忘れ去られたSNSが舞台装置として効果的。絶望感を際立たせています。
「フッテージ」 味付きゾンビさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054911818280
確かに、心霊写真や心霊映像、なぜ写った人間に障りがあるんでしょうね。他の人にだってあっていいはずです。
多分ご本人がそういう関係の仕事をしていらっしゃる方だからだと思うんですけど本当にあったことなんだなと思います。見なかったことにした方がいいよね。
「鍵を掛けずに出かけてはいけないという話」 金糸雀さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054909189958
怪奇現象も十分怖いんですけど真に怖いのは主人公の危機感のなさですね。
悪意がある他人に死ぬ思いをさせられたのにことが終わったらまた平然としているという。
鍵をかけるめんどくささ>>>>>>>>>身の安全みたいなタイプは都会に住んだら駄目だよ。
「ほたるこい」 もももさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054912316657
ゆきーっっ!!!!
これお話としても怖いんですが、子供のヒエラルキーを上手く描写していてそこに感心しました。姫と従者みたいな子供グループあるよね。
オチとしては救いのある部類に落ち着きましたね。
「鎮魂の均衡」 雨月さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054912639803
途中まではよくある話だと思っていたのですがオチが思っていたのと違ってかなり新鮮でした。第一話の時点で伏線が張られていたのがいい。
少し残念なのが10話目です。折角仕掛けは面白いのにここだけ物語の皮をかぶったお説教になってしまっています。基本的に書き手の主義主張がドン!と見えると読者は醒めてしまいますから、ここだけはもう少し臭み抜きが欲しかったですね。
話が11話に分けられていてもう少しコンパクトにしたほうがいいかなと思っていましたが、ミスリードを誘うために敢えてなのかもしれない。面白かったです。
「花嫁」 ジュージさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054910947659
今回企画に投稿していただいた作品の中でも恐怖度はトップクラスだと思います。
ものすごく怖いことが最初の四話で起こるし、正直二話目の時点で夜読まない方がいい、と思うレベルなんですけど、最終話でどん底に叩き落してくると言うか。
実話恐怖譚とか結構読まれる方ですか?勉強になります。
「ヨゴレ」 武州人也さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054906800827
美少年来た!!!相変わらずテクスチャーさえ感じそうなほど美少年の描写が上手く、実在を錯覚するほど。
冒頭から不穏なので正直某美少年の正体は想像がついてしまうんですけど、最後まで恐怖を持続させて綺麗にまとまった作品です。
「#くねくねとかがやくもの」 海野しぃるさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054910831370
あの有名な洒落怖をものすごくうまく調理したもの。
不気味だし理不尽なのになぜか結末の後味は悪くない。
小説そのものが上手いって感じ。
「#八尺様と呼ばれていたお姉ちゃんと普通の子供だった僕の完成形」 海野しぃるさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054913807519
あの有名な洒落怖(略
これがメリーバッドエンドですか。起こっている怪異はとても怖いので、私は幸せなイメージは主人公の勝手な思い込みで本当は怪異が進行していると思っていたので予想外でした。
怪異の中にあっても本人は幸せそうなのでいいかな。感動ホラーですね。
「持っていかれる」 こむらさきさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054914329460
タイトル通りの小説なんですけど。
安心したところで襲われるのは怪異譚のセオリーなんですけど。
それでも大変に後味の悪い結末ですね。祈るような気持ちで読んでいたんですけどやっぱり駄目だった。
ありがちな展開なのに興味を惹きつけられる小説を書けるのは才能だと思います。
「蝋燭の火」 QAZさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054914796978
前回から飛躍的に小説が上手くなっているQAZさん。
これは百物語を安易な気持ちでするなと言う警告かな?始めちゃったから閉じるしかないんですけど。主催者が嫌な気持ちになったので勝利です。
「約束」 千石京二さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054915170100
一言でいえば、めちゃくちゃ嫌な雪女です。
本家雪女みたいに救いもないです。
千石さんは破滅に向かっていく描写が抜群に上手いと思います。重苦しいんだけど決して読みづらくないのは文章力が高いからですかね。
満足感の高い一作でした。
「ピョーウピョウピョウ、ピョピョ。」こやま ことりさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054915303477
実話系怪談と言う想定で話すのですが、二作目にも指摘した通り、オチまでが長すぎます。ここまで引っ張るのだったらもっと強いオチにしないと。結局ホラースポットに行って不注意から転んだ話では?となってしまいます。
と、思っていたんですけど、最後で突然自分の腹の中の子を鳥に見立てた妊娠報告が入るので、これは知らぬうちに怪異に取り込まれた主人公のホラーなんだと結論付けました。これがオチならきちんとホラーとして成立しています。
それにしてももうちょっと削ってしまっても良かったかもしれません。実話系怪談って実話をそのまま描写する必要はないんです。登場人物の数も必要十分にしましょう。ごちゃごちゃするし、途中の会話も伏線にはなっていないように思う。
「モリッコさん」 ものほし晴@藤のようさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054916577443
これも田舎の因習シリーズに分類されるのかな。
古くからの慣習を馬鹿にしておろそかにした人に怪奇現象が起こる。という分かりやすいストーリーからさらに一ひねりしてあります。
その工夫がこのストーリーを特別なものにしていると思います。
パスタとかカロリーメイトとか全自動餌やり機とか日常的に見るものを武器にされるとトラウマになっちゃうよ。
「#だって私は良い子だから」 海野しぃるさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054915414350
ロベスピエールもこういう子供時代を過ごしたのかもしれないな。
人間の純度百パーセントの悪意も恐ろしいけど、純度百パーセントの善意も間違いなく恐ろしいと言う話でした。
多分主人公はこれからもいい子であり続けるのでしょうね。
「私のひぃちゃん」 双葉屋ほいるさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917169204
毒親という範疇に納まるのかこの話。
とにかくそういう話です。
僕とママの語りが交互に入るのはとてもいいですね。臨場感が増します。
ずっと子供のままでいてほしかったのか魂ごと一致したかったのかどっちなんでしょうね。
「ヒトゴケ」 木船田ヒロマルさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054915500352
大変面白かったんですけどモンスターの造詣が極めていいですね。
頭に容易にイメージできます。
忠告を無視した結果、というホラーではよくある展開なんですが代償が重すぎる。
因果が自分に巡るとは限らないんですね。
「分かんないけど。」 Veilchenさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054907554830
軽い口当たりのタイトルに反して非常に良くできていて矛盾のないシステムのホラーです。いわば東欧版七人ミサキ。
いつもホラーは無知は罪だと教えてくれるんだ。
Veilchenさんは情景描写がすごくお上手でいま外気温は31℃なんですけど自分も極寒の中にいるような気分にさせられました。
「あける」 狐さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917423827
どう考えても怪しいし、やるなと厳しく言われているのに、じゃあこうすればいいだろうと創意工夫を凝らしてやってはいけないことをやってしまう。
そういう話です。語り部になりうる人物も容赦なく被害に遭うのが面白かった。
タイトルの「あける」がどの「あける」なのかな、と色々な人に解釈を聞いてみたいなと思いました。私は「空ける」ではないかと思います。
「知っていますか?」 こむらさきさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917449030
第一回アカピッピミシミシガメ小説大賞受賞作品ですね。
主人公がスクショ晒ししようとしていてちょっと笑っちゃったんですけど、ツイッターをある程度の期間やってる人なら必ずたまごアイコンランダムIDの意味不明な批判リプライの怖さが分かるので大変効果的でしたね。
ところでアカピッピミシミシガメ知ってるんですよね。
「オニエワウチエ」 鍋島小骨さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054912840218
●●というふうに聞こえる言葉が実は全く別の意味を持っていた、ような展開大好物なので好きです。本当の意味を知った時ゾクッとしました。
私は鍋島さんの小説の技能の高さはもう完全にプロ、上手い方のプロレベルだと思っているのでちょっとものいいをしてしまうんですけど、二話目の主人公(?)の語りが少しだけ恐怖感を削いでいます。この辺とても難しいところで完全にシステムが理解できてしまうとそういうことが起きます。
彼の豹変具合も怖く、本当に彼が話しているのか?という疑問が出てきて物語の幅が広がってはいるので、これは単なる私の好みの問題なのですが。
「公衆電話」 QAZさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917577853
奪い合って生きていくしかないの怖い……。
異世界転生ってそういうことじゃないんだよ。
とにかく最後の一文が強烈です。
「夢の中のその中」 QAZさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917583632
どこから始まっていてどこで終わっているのか全く分からない悪夢から醒めないのか醒めているのかそれも分からない。
これは結構難解な話でオチはきちんとあるんですけど彼女の心象風景なのかゴーストとして彷徨っているのかどちらともとれる。
リアルな質感さえ感じさせる描写力はすごいと思いました。
「君だけ見てるの」 草食ったさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917536534
めちゃくちゃキモい話でした。幽霊が出てくるし怖いんですけど、その発端がキモいとしか言いようがないんです。新しい。
こういうウッカリやってしまいそうなことによって祟られる、憑かれる、そう言うの本当に嫌ですね。伏線がきっちり張られているのも素晴らしい。
「kaleidoscope」 千石京二さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917627432
死ぬほど愛してる、死んでも愛してる、って言うお話でした。
狂人の一途な愛というのはホラーの題材になりやすいんですが、対象者を殺したり対象者の思い人を殺したりと言うのが主で、この作品はその点がとても新しいです。なるほどタイトルそういう意味か。と納得させられました。
千石さんどの作品もクオリティが高い。
「都市伝説追跡File.「這う男」」 加湿器さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898507284
昔コンビニで売られていたオカルト雑誌みたいなタイトルで、タイトル通りそういう調子で話が進んでいくのですがその手法が巧妙でライターやってる人ですか?と聞きたくなるほど。
恐怖を最後まで引っ張っておいて読者をはらはらさせたあと少しコミカルな終わり方をするのもいい。
この作品恐怖度はそこまで高くないんですけど好みですね。
「愛の人さらい」 ロッキン神経痛さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917432878
虐待の連鎖ならぬ間違った愛の連鎖なんですね。
少女監禁共依存ものだと思ったらモンスター飼育ものだったという裏切り。
一人称の語りも軽妙でサクサク読める地獄。面白いです。
「仄暗いアパート」 修一さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917313575
例によって全く無自覚なクズ野郎が主人公です。
クズの描写もさることながら、全体に漂う生活の限界感がとてもよく表現されています。
オチの部分、つまり幽霊の正体も想定の一歩先を行ったのでとても満足感がありま
した。
「廃墟で」 神崎ひなたさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917633851
途中の怪異が迫ってくる様子は真に迫ってくるものがありました。
しかしこの作品、怖いことが起こるまでの溜めに対して恐怖感がやや少ないような気がします。派手なことを求めているわけではなく、無事に帰ってきてもいいんですけど非常にあっさりしているような。実話だったらこんなものなのかもしれませんが。
5話が良かったです。
「世良美奈子ちゃん(1)」 夏木郁さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917718245
なんとなくセーラービーナスを名前から想像してしまいました。それは置いといて。
これは本当に気持ち悪い話ですね。普段他人の性癖(間違った意味の方)にはとやかく言わないようにしているんですけど、さすがにこれはうわって言ってしまうと思います。
色々なところに伏線が張り巡らされていて、読み終わった後もう一度タイトルを見てゾッとしました。なるほどそういう。
面白かったです。
「贄の祠」 椎葉伊作さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917751953
こういうの大好物なんですよね。タイトル通りじゃんじゃん正体不明の祠に生贄を捧げていく話で、最後まで祠の由縁もその中にいるなにかも出てこないんですけど、怪異は続いていると言う。
主人公、環境のせいでおかしくなったのではなく生まれながらのモンスターだったんだな。祠に祀られている何かとともに育っていく怪物性の描写が見事でした。
こういう話で文明の利器に頼っているパターン少ないのでそこも良かったです。
「子供を積む」 五三六P・二四三・渡さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917703629
最初から最後まで満点なので本当にコメントしようとすると「満点ですね」と言うしかなくなってしまうくらい完成度の高い作品です。皆さんにも予備知識なしで読んでいただきたくて本当は内容にも一切触れたくありません。
最初の田舎の鬱屈とした空気と嫌な夫側の親戚でもう完全に引き込まれました。地方の因習もこれまでに見たことのない気持ち悪いものですし、もうそれにかかわる人間も全員不快ですごい。これを想像で書けるのがすごい。
この話、もし最後が逃げただけで終わっていたら面白いですね、で終わっていたと思うんですけど、後日談の結末……。
終わった後拍手しました。グランプリです。
「ないないさま」 草食ったさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917760477
ホラーあるあるなんですけど子供が近付いたり触ったりやったりしてはいけないことが明確な理由付きであるのになぜか大人は全然教えてくれません。それによって悲劇が起こる話です。そういう点ではちょっとありふれているので草食ったさんの一作目の方が好みではありました。
田舎の情景描写に光るものを感じました。面白かったです。
「やらせ」 ナツメさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917853672
嫌な感じの女というか女の底意地の悪さがすごく上手に表現されています。恐怖度よりもそこが面白い小説でした。
手品を素直に楽しめずトリックを見破ることに重点を置くタイプの人間は手品自体が好きな人とは仲良くなれないかもしれない。そういうお話でした。
「サンタおじさん」 アリクイさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917860383
都市伝説だ。
実際こういうおじさん昔はいたので怖いですね。ネーミングセンスもありそうでいい。
「声に出すな」 ナツメさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917862532
タイトル通りなんですけど、なんとも語感が良くてしかもなんとなく意味が分かりそうなので頭に残るんですよね。読者に呪いをかけるな。
「影」 ドント in カクヨムさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917864839
よくあるメタフィクション的展開で非常によくできているなあと思ったもののまあ怪異の正体は良く分からないし特に牙を剝いてくるわけでもないし……と悠長に読んでいたら巻き込まれました。とてもスケールの大きい話で驚かされましたね。
なんでこんな非常事態が起こっているのに呑気にこんなインタビューしてるのかと思ったけどなるほど別の意図が。
私はあまりきちんと説明がつかない終わり方の方が好みなんですけどこの話はこれくらいの情報開示してもいいっていうかベストでしたね。
「月におさいふ」 和泉眞弓さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917868865
タイトルが可愛いけどこれ和泉流「猿の手」や……。
実話ですか?怖いですね。
「変な自殺」 ジュージさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917877895
タイトル通りなので本当に変だね、という印象ですね。もやもやとした嫌な感じの不快感が残ります。謎はちょっと解けない。
「おおきなまるいかおのひと」 ドント in カクヨムさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917878258
正直一日目から絶対これ良くないものじゃんと言う感じがするんですけど無情にも日記は続いてしまうし怪異も進行してしまう。
あまり複雑な表現がなく、イメージできるタイプの怪物なので怖いんですよね。動きが早いとかもめちゃくちゃ嫌だ。
「影」でも思ったんですけどラストまで情報開示を小出しにして最後にバーン!とぶっ放すのが上手い作者さんですね。おなかすいてたんだね。
「人間関係を整理します」 秋永真琴さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917877819
商業作品の方は乙女の夢が詰まったキラキラの作風なのに何故かカクヨム作品はネット上の嫌な人間関係の描写が上手すぎて今回もとても怖い仕上がりです。
こういう人間関係の焼き畑する人は結構いて、見るのも不快なんですけどもし鬱陶しいだけじゃなくて行動力もある人だったら……?
身近な恐怖ですね。
「岬にて」 海野しぃるさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917879568
ホラーの舞台はだいたい暗くて湿った場所が多いんですけど、別にそんな調味料無くても怖いの作れるもんね、と我々に示したのが映画「ミッドサマー」ですが、これはそういう作品です。
明るい。さわやか。特に何も悪いことは起こっていない。でもそれが怖い。
どこまでが現実なんでしょう。
「死神のおすすめ」 綾繁さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917884646
応募作の中で主人公可哀想ランキングNo.1です。
これは本当にネタバレなしで読んだ方がいいですね。完璧に予想を裏切られました。
こんなのってないよ。
「拾ったんです」 けだまさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917889157
初見殺し系怪異。まんまとはまってしまった主人公……。
絶望しかないラストですね。彼が救われることはないんだろうなあ。
「頭の中の怪獣」 秋田川緑さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917880877
これ私の職種の問題だと思うんですけど本当にこういう人いるね。実際に病名もそうだね。という感じであまり怖くはなかったです。すみません。完全にこれは個人の問題です。
本当に病気だけれども周囲の人はホラーな妄想だと思ってしまうことって結構あるんですよね。
「いい部屋どこから?」 味付きゾンビさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917881345
社長……。お金があるのになんで事故物件なんか住むのよ。
この社長、救いの手を叩き落としてYESマンに肯定してもらって安心の言葉が欲しいだけなんですね、こういう人は本当に格好の標的ですよ。
終章のドライな感じも好みです。幽霊出てくるけどヒューマンホラーでした。
「赤い肉」 こむらさきさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917893756
意味が分かると怖い話的なあれ。
赤ちゃん可愛いよね。
「なれそめらしきもの」 ジュージさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917878689
すごく短いんですけどきっとこの話をいつか思い出してモヤモヤすると思う。
何が正しいか誰にも分からないんですね。死んでるし。
「マバタキ」 ツノダ骸人形さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917878887
怖い話には怪物や幽霊や悪魔や人が怖いものがほとんどなんですけどこれは多分怖い話が伝搬することそれ自体が怖いという系統の話なんですね。
ちょっとだけ視点の切り替わりが分かりづらかったかなという印象があります。
「夕焼けロンリネス」 ぶいちさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917582602
ぶいちさんは変な人がベラベラ勝手に語り掛けてくる描写がとても上手いと思いました。可哀想だけど本当に自分の身に起きて欲しくない恐怖。
「#zakuro_challenge」 狐さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917895688
多分元ネタは青少年の自殺を扇動するとして注意喚起されていたBlueWhaleChallengeですね。
これはザクロって鬼子母神か……タイトル、よく考えてありますね。
「黒獣」 蔵井部遥さん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917765885
生活のストレスのはけ口としてとあるとんでもない習慣を持つ男は疲れ果ててタクシーに乗ったが……から始まる西洋ホラー小説の古典を思わせる作風です。
主人公のとんでもない習慣に至るまでの経緯が主観と客観から丁寧に書かれているので彼を実在の人物と認識してしまうほどです。
一本映画を観終わったような満足感がありました。ホラーを書いてみたいと思う人にとっての短編ホラー小説のお手本かもしれない。
「事故物件」 ぶいちさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917896289
短い中に不穏さがしきつめられていますね。
やや説明不足感は否めないんですけど読み手の解釈に任せる終わり方もいいかもしれない。
「社」 QAZさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917650033
正体不明の怪異、次々となすすべなく襲われていく主人公グループ、失われた記憶……とホラーのお約束は全部踏んでいるし、要所要所怖いシーンが挟まれていて楽しめるんですが、多分この文字数には合っていないと思います。
二万字ない作品なんですけど登場人物がアルファベットの名前(多分不必要に個性をつけない意図だとは思いますが)で三人以上出てくるのでちょっとごちゃごちゃします。やはり短編に見合ったスケール感というのは大事です。ストーリーは面白かったのでもう少し肉付けして中長編にしたらより良いと思います。
「お迎え」 不死身バンシィさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917885101
これはオチがたまらなく好きですね。
途中の追いかけ回されるシーンも臨場感があり映像作品で見てみたい。
お迎えに来たアレはなんなんでしょうね、彼も一部なんでしょうが。
「わるいもの」 山本アヒコさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917898015
これもネタバレなしで読んで欲しい。少し難解なので三回くらい読み返して納得したんですけど、物語全体に漂う圧迫感がいいですね。
彼女どうやって暮らしているんだろう今……。
「話なんて100個も用意できませんよ!」 海野しぃるさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917896016
主催者に嫌がらせをするな!
百個集めなくてよかったなと取るべきなのか、集めた結果こうなったと取るべきなのか。
読み終わった後冒頭に戻るとゾッとします。
「あいをんさま」 綿貫むじなさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917898196
自分だけに見える怪異も恐ろしいけれど、皆に見える怪異はもっと恐ろしいかもしれない。まずその発想が新しくて良かったです。
この怪異、怒った被害も全然冗談で済むレベルじゃないし、誰も幸せになってないし、どうやら集合知のようなものまである様子……。
すごく好きですね。
「ありきたりな怖い話」 QAZさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917897234
本当に怖いじゃんこれは駄目だよ……。
その後お父様の身に異変はないですか?
「喪失した姓名診断」 ショウセツカキドリさん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904534719
男は狂っていた系の亜種だと解釈したんですけどちょっと時間が足りなかったんでしょうか。全体的に急ぎ足で恐怖が匂わせにとどまってしまっているような印象です。
発想はとても良かったです。終わり方もなんだか切ない。
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