謎の施設に強制的に集められて軟禁された、なんとなく素行の悪そうな少女達。
一人一人の女の子達の特徴がとても良く練られていて、最初はこの子好きだなーとか気軽に思いながら読んでいるのですが、徐々にそんなこと言ってる場合ではない目の離せない展開になって行きます。
彼女らの感じるストレスの描写、徐々に追い詰められる喉が焼けるようなヒリヒリとした感じは正に作者の方の筆力だと思います。
特に、少女達がある作戦を実行しようとする中盤以降の展開は本当にハラハラして目が離せず、更新がすごい楽しみでした!
是非、目を逸らさずに最後まで見届けて欲しい作品です。
薄っすらと怖気が走るソリッドシチュエーションスリラーです。
心当たりがないまま、『施設』に送られてしまった少女たちに待ち受けるのは、健全な心を育むための矯正プログラムです。しかし、授業で見せられる映像は、おおよそ健全とは程遠い、非人道的なものでした。
異常性に気づき、身の危険を察知した少女たちは脱出計画を立てますが、少女たちにもまた内に秘める後ろ暗い過去があって…?
深い考察と確かな筆力で、キャラクターの内面を丁寧に掘り下げていきます。構成力も秀逸で、ひねりが効いています。
清廉なイメージである白を基調とした『施設』を舞台に、徐々にその姿を現わす狂気と目を覆いたくなるショッキングな描写は、映画『ミッドサマー』を彷彿としました。
スニーカー大賞受賞の実力、その目で確かめてください!
まず、この作品で特筆すべきは優れた文章表現力による情景描写と人物描写です。
主人公を含めた少女達は「ある施設」に強制送還されます。
そこでは今を生きる私達には想像も出来ないような事が行われています。
冒頭からショッキングな内容ですが、文章表現にリアリティがありますので私達も主人公と同じように「実際にその場所」に居るような臨場感を感じられます。
そしてこの「施設」を管理したり働いている人達は「白い無機質さ」で描かれていますが、その根底には「善意」が在ります。しかし、自分達が正しいと言う「善意」の名の下に行われている事は紛れもない「狂気」であると私は感じました。
これとは対照的に登場人物達は主人公を始めとして「とても生き生きと」描かれています。それぞれの人物達の描き分けも良く出来ています。この人物描写に依って私達は登場人物達に「感情移入」がしやすくなっています。
物語はまだ途中ですが、この施設は何なのか?主人公達はこの施設から無事に生還できるのか? 正に「一読の価値あり」です(^.^)🍎