一杯の紅茶に願いを込めて

文月 翠

記者

いらっしゃいませ、ご注文はなににしますか?


オススメセットですね、分かりました、少々お待ちください。


本日の紅茶はアールグレイです、ミルクを入れても美味しいですよ、では、ごゆっくり。


え、あなた取材に来たんですか、記者さんだったんですね、いいですよ、ちょうどあなたしか居ませんし。


「貴女にとってこの喫茶店はどうゆう存在か」ですか、難しいこと聞いてきますね。


そうですね、言うなら私の世界でしょうかね。


何故ってそれはですね、ここで働いている時が一番生きてるって思えるからですかね、家でも他のお店でも感じられないただ一つの場所って感じがするんです。


貴女もそんな場所ありませんか?つまりそうゆうことです。


それにここへ来る常連さんは口を揃えてこう言ってくれます、第2の家って、まぁこの言葉には喫茶店以外に私がやっていることも入ってると思いますが。


それは何かって?それは相談屋ですよ、たまに、このことを聞いて来てくれる人が居るんです、結構好評です。


皆がどんな事を相談に来るかですか、それは秘密です。


なぜかと言われても、わざわざ私に相談に来るんですよ、それは個人的なことですよー、プライバシーですよー、言えないです。


相談をするには合言葉が必要なんですが、この言葉を記事に入れないと約束してくれれば、特別に貴女に教えてあげます。


そうですか、ならば教えましょう、合言葉は「一杯の紅茶に願いを込めて」です。


これを教えていいのは三人までです、すごくたくさんの人が来てしまうと対応出来なくなるので、そこはよろしくお願いします。


取材はもう大丈夫?そうですか、ありがとうございました、では私は仕事に戻りますね。


え、追加の注文ですか?大丈夫ですよ、なににします?


あぁ、はい、分かりました、では。


ようこそ、わたしの世界へ、悩み事はなんですか?



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