今日も駅にはいろいろな人がやってくる。私も含めて。

 あの人たちは何処へいくのだろうか。この人は誰を待っているのか。そんな妄想が止まらない。

 それを肴に今日も一杯酒を飲む。目の前に広がる生きた映画の数々に心が震える。


「貴方はいつもこの駅にいますね。帰る場所はあるのですか?」

 ふと、1人の青年が話しかけてきた。

「家にはあまり帰りたくないかな。この駅が落ち着くんだ。」

「そうですか。確かにここは居心地が良いですね。悪い気も満ちてはいませんし。」

 彼は、害は無さそうだし別にいいか、と呟きながら立ち去って行った。

 

 この駅では、不思議な人が私に話しかけてくる。たまには一緒に一杯やりたいものだ。ここはステーション・バー。誰かと酒を飲み合うのも楽しそうだ。

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ステーション・シネマ あきかん @Gomibako

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