会社に入ったら大好きなお姉さん(肉食系)がいた

影裏 玲衣

第1話 新入社員

 俺は今、すごく困っていた。


 時期は春。新入社員として就職が決まって昔住んでいた東京に戻ってきた。


 そして、家を出るのが遅れたため、会社に行く道をショートカットしたら不良に捕まってしまった


「何、黙ってんだ?社会人ならお金いっぱい持ってんだろ」


 柔道をやっていたのでこの程度の相手を倒すのは簡単だがさすがにまずい。


「全然お金ないですよ」


 誤魔化すことにする


「嘘つけ。舐めたこと言ってるとぶっ飛ばすぞ」


 俺が困り果てていると


「おまわりさーん。こっちですよー」


「ちっ。今日のところはこのくらいで許してやる」


 誰かが警察を呼んでくれて本当に助かった。


「大丈夫でしたか?さっきの人しつこかったみたいで大変でしたね」


「助けてくれてありがとうございます。困っていたところで」


 いい人みたいだ。それにこの人、この感じとこの雰囲気どこかで会ったことあるような。


「ところで。急いでいたのでは?まぁ私もですけど」


 あ、会社に遅れそうなの思い出した。


「すみません。会社に遅れそうで。後でお礼がしたいので名刺渡しておきますね。それでは、また」


 名刺を見た彼女が何かを思い出したかのようか表情をした気がするが会社に走った


 ───────────────────


 会社の待合室の待合室で待っているとドアを叩く音がした。


「二宮 陸さん。あなたの上司になる一条 海美と言います。よろしくお願いします」


「えっ。二宮 陸です。よろしくお願いします」


 俺は少しの間呆然としていた。


「あっ。さっきは助けてくれてありがとうございます。今日からよろしくお願いします」


 俺はよろしくお願いしますと2回言ったが動揺している。


「はい。よろしくお願いします」


 満面の笑みで言われ、すごく見とれた。


「それでは、一通り社内を案内しますね」


「はい。お願いします」


 ───────────────────


 一通り、案内し終わり他の人との顔合わせも済んで。最後に倉庫に来ていた。


「すみません。少し汚くて。ここの書類の整理をお任せしてもいいですか?どこに置けばいいかはこれに書いてありますので」


 そして渡された紙を見た感じかなりの量の書類のデータがあった。そしてその書類はダンボールに積み上げられている。これを中身を確認しながら並べていくみたいだ。


「はい。分かりました。頑張ります」


 1人で黙々と作業をしていて少し時間がたった頃。


「どんな感じですか?」


 一条さんが来た。


「少しずつですが片付き始めたところです」


「すみません。ここの片付け、面倒がって誰も引き受けてくれなくて」


 少し俯きながら言った。


「大丈夫ですよ。こういう作業好きなので。今、そっちに行きますね」


 急いで行こうとしたらダンボールに引っかかって転んだ(一条さんを押し倒して)


「すみません。一条さん、今退きますね」


 その時だった。一条さんに抱きつかれた。


 俺は動揺して慌てたが離してくれる気はないらしい。


「何で気づいてくれないんですか苗字が変わってるからですか?見た目ですか?」


 泣きそうな声で言われてやっと気づいた


 俺は一条さんに昔、会っている。家が近所で仲の良いお世話になったお姉さん。


「ごめん。海美ちゃん」


 次の瞬間、キスをされる。

 力強くしっかりと脳が痺れるキスを。


「私、陸くんのこと大好きで気づいた時、嬉しかった。私、実は陸くんと結婚の約束をした日からずっと好きだったんだよ」


 その日から俺は海美ちゃんから迫られるようになる。


「もう絶対に離さないよ」

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会社に入ったら大好きなお姉さん(肉食系)がいた 影裏 玲衣 @KageuraRei

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