時代を超えた絆と愛」をテーマに描いたこの物語は、高校生の主人公と不思議な老婦人との心温まる交流を中心に展開します。過去と現在が交差しながら進むストーリーは、読者に「あの時代の自分に何を伝えたい?」と問いかけてくるような感動的な一作です。
特に、淳子ばあちゃんが語る青春時代の回想シーンは、切なさと温かさが絶妙に絡み合っていて、自然と物語に引き込まれました。キャラクターたちの掛け合いも魅力的で、どこかコミカルなやり取りが、全体の重くなりすぎない雰囲気を作っています。
「ちょい辛」な視点で言うと、物語のキーとなる「時代を超える」設定がふんわりとしている部分が少し惜しいです。その背景がもう少し丁寧に描かれていると、物語全体の説得力がぐっと増したと思います。また、現代パートでの主人公の心情の変化が深掘りされていると、ラストの感動がさらに強く読者に響くのではと感じました。
それでも、この作品が持つ「大切な人との絆」を描いたメッセージ性は抜群で、読後には温かく心に残る余韻があります。短編でありながら、感動的なテーマとキャラクターの魅力をしっかり詰め込んだ一作。時間のない中でも感動したい方には、ぜひ読んでいただきたい素敵な作品でした✨
ユキナ(ちょい辛)