まず語られるは、小さな子どもの口調で語られる武蔵野のお話。素敵なカフェや、大きな公園にいる湖の「人喰い」白鳥さんについて。確かにそれは所沢市のお話だけれど、どこかが現実のそれとは異なっていて…?君はそこへ行ったことがないのかい?そのお話はいったい誰から聞いたの?君はいったい誰なの?これは愛に満ちあふれたとっても優しい、なぞなぞ。我々もまた武蔵野という自然の中で生きる息吹の一つなのだと感じさせてくれます。命の温かさに触れたい貴方へ、おススメです!
誰の視点で、えがかれているのか。謎解きと言葉遊びの要素も秀逸な純文学です。武蔵野の美しい自然を舞台に巡る「ミドリ」、その色と意図を是非、お確かめください。
可愛らしく、幸せに溢れた短編に、渇いた心が、ほっこりしました。武蔵野に縁のある私は、「ああ、あそこのことだな」と頷きながらも読ませて頂きました。幸せの始まる素敵な音が、聞こえてくるようなお話でした。
いにしえより多くの命を育んできた緑溢れる武蔵野。この地に新しく生まれ出る命の物語です。読んだ後とても優しい気持ちになれます。ぜひ、ご一読ください!