A面はフードコートで他愛もない話をしている女子高生四人組の話で、B面がその時の会話に出て来た人物と女子高生の一人が知り合いだったという世間は狭いねってお話。ってだけじゃないんだけど、これはネタバレになってしまうからレビュー読むより先に本編を読んだ方がいいです。マジで。
この作品が漫画だったら最初から違和感があったんでしょうが、そこが小説だから上手く隠されているというのも凄く良かったです。
そして、主人公が他の三人の話にあんまり驚いていなかったのはB面でそうだったからなのかと膝を打つ爽快感。前編後編の使い分けがとても上手いです。
詳しく語るとネタバレになるので、取り敢えず読んでみて下さい。めちゃくちゃ面白いです。
平凡で凡庸な普通の女子高校生四人組の、ファストフード店でのぶっちゃけトーク大会。
ゆるふわほのぼのコメディです。いや言うほどゆるふわほのぼのか? 冷静に考えると結構すごいことになっている気がしなくもないんですけど、いずれにせよ肩の力を抜いて読める楽しいお話でした。
ちょっと捻った章立てというか、はっきりくっきり二部構成になっているところが面白いです。それぞれ「A面」「B面」と題されているのですが、まさにその章題の示す通りの内容でした。A面だけで単一のお話として完結しており、その上でのさらに強烈なもう一捻り。またそれぞれに話の雰囲気や方向性が異なるということもあって、読み終えて「なるほど」とスッと腑に落ちるような感覚がありました。
あとものすごく細かい個人的趣味な上に本文以外の要素で申し訳ないのですけど、作品紹介の文章が好きです。世界をふんわりともう一段、広げて想像させてくれる綺麗な煽り。雰囲気があって楽しいです。