お化けダイコン、討滅!

 メイスンは缶スプレーを手にすると、それをダイコンに向かって噴射した。噴霧された白い霧を浴びたダイコンは、たちまち萎れた。

「それはボクの除草剤!?」

「車に予備が置いてあったので持ってきました」

 時雨たちに迫っていたダイコンは、今の噴射で全て駆逐された。窮地を脱したのだ。


 スタジアムに集まったダイコンは、一本残らず始末された。最終的にダイコンは、泡となって溶けて消えた。

 他の地域でも同様の作戦が行われ、お化けダイコンは次々と退治されていった。そうして一連の事件は終息したのであった。


 


 時雨は家族と食卓を囲んでいた。テレビ画面には、千秋が勤める製薬会社の除草剤のCMが流れている。

 そこに、インターホンが鳴るのが聞こえた。妻の雪がそれに応じた。

「メイスンさんって方よ。知り合い?」

 妻が尋ねてくる。

「そうだが……何故彼が?」

 あの事件以来、他の三人とは会っていない。何故彼が訪ねてきたのか、理由が分からなかった。

 時雨はドアを開けると、確かにそこにはメイスンがいた。

「時雨サン、今度はお化けナスが……」

「はぁ? お化けナス?」

 時雨は素っ頓狂な声を上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アタック・オブ・ザ・キラー・ダイコン 武州人也 @hagachi-hm

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ