迫真の文章、文芸の域

すっご……もう文芸じゃないですかこれ……

猿っていうモチーフの使い方の上手さ、熟練っぷりがとてもすごくて、
これだけでご飯三杯おかわりできます。
最後、『あちらがわ』へ突き抜けてしまった主人公を笑った猿の笑顔のある種の醜悪さが目に浮かぶようで、すごかったです。

この物語、陰キャと陽キャの対比って見方も出来ると思うんですけど、
陰キャから見た陽キャの影っていうのも当然にあるわけで。
主人公のコンプレックスや葛藤がすごいリアルで解像度高く描写されてて、
迫真の文体で丁寧に描かれてます。すごい作品でした。