第4話 一般女子高生と怪奇現象 前編

4月も終わりかけのこの季節、学生の皆様はどのような日々をお過ごしでしょうか?

私は今誰もいない理科準備室で人体模型と共に窓側から見える運動部の練習風景をみて放課後ライフを満喫しています


「放課後に飲む缶ジュースは美味いわね」


こんなどうでもいいことを1人で呟きながら手に持っていたキウイドリンクと書かれている缶を机に置いた


「さて、私はいつまでここにいればいいのだろうか」


時を遡ること30分前、いつものように授業を終えて教室を出ようとした矢先、クソ狐と立花君に引っ張られるまま、ここに連れてこられた。そして一言、客人を連れてくるまでここで待機しとけって言い終えた瞬間光の速度で教室から出て行った


「あいつら私をなんだと思ってるんだ?はぁ…早く帰りたい…」


このまま教室を出て逃げることは出来るが、もしここでなにか起きれば私のせいになるのは目に見えている。私にはわかる、そうなる確信があるからだ


「はぁ…早く帰って来ないかな…」


ため息をついた瞬間、ドアがノックする音が聞こた、もしかして先生か?っと思いドア側の窓を少し除くとそこには眼鏡をかけた栗色の髪の毛の女の子が立っていた。


「クラスの子ではないわね、こんな子見たことない」


「あのえっと…すみません…誰かいますか?」


私面倒臭いの嫌いなのよね、居留守使うわ


「その…えっと…私、立花君と怪土さんの誘いでここに来たものですが、何か聞いていますか?」


私は貴方みたいな小動物系女の子が来るとは一言も聞いていない、だからこのドアは絶対開けない


「どうしよ…放課後、ここに来いってすっごい怖い顔で言われて、扉も開かない…私どうすればいいの?」


可哀想にあの2人に脅されてここに来たのね、同情はするけど絶対このドアは開けないわ


「北条さんどうしたの?そんな所で」


「恥ずかしいのか?可愛いやつじゃのう」


ちっ噂をすれば帰ってきたよ、しょうがないドアを開けるか


「はいはーいどなた?」


「いっ!いるなら最初から開けてください!」


「私面倒臭いこと嫌いなのよ」


「私と貴方初対面よね!?なんでそんなこと言うんですか!?」


「まぁまぁ、とりあえず北条さん中に入って、ここ無断で使ってるから先生たちに見つかったらやばいから」


やっぱり無断なのね


「は…はい!お邪魔します!!」












「ようこそ心霊部に確か北条さんは僕達と隣のクラスだったね、僕は部長の立花 祐介」


隣のクラスの子か、道理で私の脳内ページにこの子の情報がなかったわけね


「こっちが副部長の怪土 洋子さんっていう偽名を使ってる正真正銘の妖狐」


「ぶっ!?馬鹿なの?いきなり会ったばっかのやつそれ言う!?」


「いくら初対面でも隠し事は行けないと思って」


普通段階踏んでからばらすでしょ


「へー!妖狐さんなんですね!すごい!」


「うむ!!もっと褒めてもいいのじゃぞ?」


あ、信じてなさそうな雰囲気で良かった


「んで、こっちのさっきから突っ込みばっかしてるのが陰陽師の東雲 朱里さん」


「陰陽師ってゲームとかで悪霊を倒してるあの陰陽師ですか!?」


キラキラした目で女の子は私のことを見てくる。これよこれ!こういう一般人がいるから辞められないのよね


「っといってもそこの童は見習いだから力はよわよわじゃ」


ちっクソ狐、余計なこと言いやがって


「のじゃははははは!!!!」


腹立つ笑い方するなこいつ、また耳引きちぎってやろうか?


「あ、えっと…名乗るのが遅れて申し訳ありません、私は北条 渚といいます。立花君でしたっけ?その紹介でこの部室に来ました」


「ここに来たってことは入部希望者?やめておいた方がいいわよ、こんな変人の集まる所なんて」


何回も言うけど私は面倒臭いことが嫌いなの、これ以上ここに人が増えたら私の胃が持たない


「いえ入部ではありません、ただ怪奇現象が最近私の身の回りに起きていまして」


「ほぉ…怪奇現象か、それは気になるな」


「はい、実物はちょっとあれなんで今度の休日、私の家に来てください、これ住所です」


鞄の中から紙を立花に渡すとそのまま教室を後にした。


「聞いたか東雲!?怪奇現象だとさ!みんなで北条さん家行かないとな!!」


「えっ?私休日行くこと確定なの?」


「だってこの中で怪奇現象に対する対抗策東雲ぐらいしかいないもん」


「そこにいるクソ狐は?力は弱まっていても妖狐なんでしょ?」


「妾の今の状態だと読心ぐらいしか出来んぞ、それに前にも言ったけど一般人の攻撃ですら致命傷じゃ」


くっそ!!そういえばそうだったわ!畜生!!


「っというわけで3人で集まって休日北条さん家いくぞ!!」


「わーいなのじゃ!!」


こいつら勝手に決めやがって…まぁいいや、休日ならちょっとした来客がある。そいつなら怪奇現象をすぐに解決してくれる。そしたらいつも通りの優雅な休日が戻ってくるさ


「うふ…うふふふふ」


「なんだ東雲?嬉しくなって笑いだしたか?」


「まったく、なんだかんだ言ってお主もこの部活を楽しんでるのう!」


楽しんでないわよ!早く私を解放しろお前らぁぁぁぁ!!!!

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妖狐さんと陰陽師少女のドタバタ翻弄記 宮北サブロー @miyakita321

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