第3話 部活動設立と出会いは唐突に
「はぁ…憂鬱だ…」
昨日のことがあり、私に近づいてくるクラスメイトは0人だった。
「まぁ明日があるじゃろ、そんなに気を落とすことは無い、妾的にはお主が惨めな思いするのは見ていてとても気持ちがいいが」
「慰めてるのか煽っているのかはっきりしろ」
現在、私たちは放課後ライフ(2人で教室に居るだけ)を満喫している。
「昨日に関してはお主に非があるじゃろ、あの場で妾に突っかかって来ることなかったじゃろ」
「そうさせるように仕向けた癖にクソ狐め」
「てへぺろ」
私自信、ここでごちゃごちゃ言っても何も始まらないことは分かっているが、こいつを見ていると無性に腹が立つ。
「妖狐とはそういう妖怪なのじゃ、諦めるじゃ」
「くそ…また心を読みやがって…いつかぶち殺す」
「のじゃははははは!!!!」
ムカつく笑い方しやがって…さて、クラスメイトの誤解を解いて一刻も早く親睦を深めないと不味いわね、高校生活を満喫するどころかこのままだとぼっちになってしまう
「いっその事、部活に入るのも選択肢の一つとして組み込むしかないわね」
「部活?なんじゃそれは?面白いのか?」
「私運動苦手なのよね、かといって文化部に入ってもな…」
「人の話聞いているのか?部活とはなんじゃ?」
「あぁごめんムカつきすぎて、居ないもの扱いしていたわ」
「むきー!!なんじゃその態度は!!最強の妖怪である妾をコケにしやがって!!」
「えっ…?妖怪…?」
男の声で私たちは教室のドアの方に目を向けた。するとそこには制服を着たこのクラスの爽やかイケメン(東雲 朱里基準)こと立花 祐介(たちばな ゆうすけ)が驚いた顔でそこに立っていた。
「ちょっと!洋子!貴方いくらお芝居にお熱だからって狐耳と尻尾つけてまで登校して来る必要ないじゃない!」
「あ、しまったのじゃ!今すぐ取り外すのじゃっていてててててててて!?伸びる!伸びる!」
このクソ狐、いくら自分が妖狐だからって狐耳と尻尾を隠さないで登校は馬鹿なのか?
そういえば昨日隠してたっけ?まぁいいや、腹いせに思いっきり引っ張ってやろう
「痛いのじゃ!お主腹いせに思いっきり引っ張るでないぞ!取れる!取れる!」
「昨日から付けてる耳と尻尾は今流行りのオシャレと思い込んでいたけど、まさか本物とは、しかもこの耳からして怪士さんって妖狐ですか?妖狐ですよね?はいって言ってください!」
今確信したはこいつが本物の馬鹿ってことに
「なんじゃこいつ!?妾が妖狐とわかった瞬間物凄く食いついてきたぞ!?」
えっ立花君、そういうキャラが好きなの?
なら私も明日から狐耳付けて登校しようかしら
「朱里!変なこと考えてる暇あるならこいつどうにかするのじゃ!?あと耳引っ張るのやめろ!!そろそろ取れ……」
ブチッという音ともに私は後ろに転けた。
クソ狐の方を見ると耳から血が大噴出していることが分かった。
ってかこの耳取れるのね。初めて知ったわ
「のじゃぁぁぁぁ!!耳が取れるわけ無かろうが!!お前のせいで千切れたんじゃよ!!」
「すごい…妖狐の耳が取れて血が噴出している…こんな光景見るの初めてだよ」
私も初めてだよ。なんならこんな光景金輪際見れないことを保証するわ
「お主ら!!覚えてろよ!!」
捨て台詞を吐いてクソ狐はそのまま教室から出ていき、立花君と私が2人っきりになった。
教室から入ってくる西日がとても眩しいためもあるのか、私は爽やかイケメン(東雲 朱里基準(2回目))を直視出来ない。
いや普通でも多分直視出来ないかもしれない
「えっと、東雲さんでしたっけ?怪士さんは妖狐なんですか?」
さて、なんて回答すれば正解なのかしら?
「妖狐ね」
一部始終を見られたんだから変にあやふやにすると怪しまれるし、これはチャンスだわ。
クラスの勝ち組キャラである立花君とお近付きになるチャンス
「妖狐ってあの誰でも知ってる妖怪のですよね!俺初めて見ました!!詳しいこと聞いてもいいです!あ、俺は立花 祐介と言います!」
顔が近!?くっそいい匂いするなお前!?
「いいけど、誰にも言わないでね?」
「はい!」
「っというわけよ」
「なるほど…貴方は陰陽師の家系で実家が嫌すぎて引っ越してきたところ何故か妖狐さんが封印されてた壺が荷物に紛れてそれを割ってしまって今に至るって訳ですね」
ありのままに話した。何故か私自身が軽くなった気分になってきたわ、今この場で歌でも歌おうかしら
「陰陽師に妖狐か…やはり妖怪や妖怪退治を専門とする人達って本当に実在するなんて思ってもいませんでした」
「普通の人は確かに想像出来ないわね、ちなみに貴方は妖怪に興味が「のじゃははははは!!見ろ朱里!!」
なんでこのタイミングで割り込んでくるのかな、クソ狐は
「生えてきたのじゃ!!妾のチャームポイントである狐耳が生えてきたのじゃ!!」
「はいはいすごいすごい」
「妖狐の力ってすげぇ!」
「もっと褒めろ!そして妾の恐ろしさに震えるのじゃ!」
誰も褒めないし、恐れねぇよ。
「ん?いまお主、妾のこと妖狐って言ったと思うんじゃが…もしかして?」
「全部喋ったわよ」
「何故じゃ!?何故そんなことをしたんじゃ!!」
「さっきのやり取り全部見たって言ったんだから隠したら余計怪しまれるじゃない!?」
それに立花君と喋るきっかけも欲しかったしね
「この馬鹿者が!?妾が妖狐と分かれば体を改造されるに違いないのじゃ!」
人間なんだと思ってるんだこの狐は
「あぁ終わったのじゃ…妾に力があれば、こんな奴ら今すぐにでもこの世から消せるのに…」
そのくせ、耳と尻尾は隠さなかったのは何故かしら?やはりバカなのかこの狐は?
「あのえっと…俺は別に言いふらしはしません」
「なんと?それはほんとか?」
「ただし、1つ条件があります!!俺が部活を作るので数合わせとして入ってください」
クソ狐可哀想に、数合わせとして無理矢理入部させられてやんの
「そんなのでいいのか?入る入る!絶対入るのじゃ!」
ざまあみろ、さて私もそろそろ帰ろうと……
「あ、東雲さんも強制入部です」
「ちょっと待って?強制入部?どういうこと?」
「ただでさえ変人扱いされている東雲さんの噂を流すんですよ、そうですね…自分は陰陽師の家系だっと言っているとかどうでしょうか?」
お近付きになるんじゃなかった、そのまま回れ右するべきだった
「くそ!くそ!私はあの時どうすれば良かったんだ!!」
横を見ると、クソ狐が鼻で笑ってざまあみろっと小声で言っているのが聞こえてきた
「お前のせいだ!疫病神が!」
「痛いのじゃ!痛いのじゃ!もげる!またもげるのは嫌なのじゃ!」
「心霊部の創設ですね!これからよろしくお願いします!」
今日は厄日か?畜生め!!
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